レイオフで手打ちを図るも、マスク氏から見捨てられたツイッター

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ツイッター買収は中断状態だ(Photo By Reuters)

「違約金」か「値下げ」で収拾

とりわけ採用についてはテック株の値下がりや業績低迷などを受けて、ツイッターだけでなく暗号通貨企業の米コインベース・グローバルや米メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)、米配車サービスのリフト、ウーバー・テクノロジーズなどでも採用を縮小または見合わせている。

こうした状況を受けて、ツイッターは採用部門の従業員のレイオフに踏み切った。ツイッターとしてはマスクCEOの要求を部分的に受け入れることで、膠着(こうちゃく)した買収交渉の前進を狙っていた。しかし、マスクCEOは「幽霊アカウント」を口実に買収中止に踏み切った。

ツイッターは訴訟準備を進めており、マスク氏に合意通りの買収の実施を求める方針だ。米国では2008年に米プライベートエクイティ(PE)投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントが米化学メーカーのハンツマン・コープに65億ドルでの買収を中止したが、アポロがハンツマンに和解金を支払って解決した。

2020年には高級ブランド世界最大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを理由に前年に、約162億ドル(約2兆2200億円)で合意した米宝飾品大手ティファニーの買収破棄を宣言。その後の交渉で約158億ドル(約2兆1600億円)に値下げし、2021年1月に買収を完了している。ツイッターの買収問題も、いずれかの方法で「手打ち」をすることになりそうだ。

文:M&A Online編集部

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