横浜中華街の名店「聘珍楼」はなぜ倒産へと追い込まれたのか

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Go To Eat期間中でも歩行者の数は4割減少

横浜市がコロナ後に中華街の歩行者流動量を調査したのは、2020年10月。ちょうど政府主導の飲食店の需要喚起策「Go To Eat」が実施されていた時期です。

中華街への流入量はコロナ前にピークを迎えていた11時台でおよそ5,000人。8,000人から37%も減少しています。

■2020年10月横浜中華街歩行者流動量

※横浜市「集客実人員調査及び観光動態消費動向調査報告書」より

コロナ後はアルコールの提供が制限され、企業宴会が蒸発しました。それに加えて中華街そのものに人が集まらなければ、聘珍楼のように高い家賃を支払っていた店舗は、健全な経営状態を維持することができません。

聘珍楼はもっと早い段階で家賃の安い場所に移転をしていれば、破産に追い込まれることはなかったかもしれません。破産後に店舗を移転して再スタートをするという話も聞こえてきますが、宴会需要がなくなった飲食業界で大型の店舗を維持するのはこれまで以上に難しくなりました。

聘珍楼と同じく高単価の中華料理店を展開する東天紅<8181>は、2021年2月期の売上高が前期比76.2%減の16億1,100億円となり、19億3,800万円の純損失(前年同期は2億3,800万円の純損失)を計上しました。東天紅はこの期に「神戸三宮・センタープラザ店」、「T's garden(ティーズガーデン)」、「海燕亭上野店」を閉店。「CHIBA SKY WINDOWS 東天紅」の借地面積を縮小し、子会社LCL Partners(東京都台東区)を清算するなど、大幅な事業の見直しを迫られました。

「日比谷聘珍楼」や「聘珍楼大阪」はビジネス街にあるために客単価の高い固定客が多く、中華街の本店はランチメインの新規客(観光客)だったことが明暗を分けたものと考えられます。しかし、宴会の縮小は今後も続くと見られており、本店以外の店舗も中長期的な集客に苦戦する可能性があります。

聘珍楼の行方に注目が集まります。

麦とホップ@ビールを飲む理由

麦とホップ @ビールを飲む理由

しがないサラリーマンが30代で飲食店オーナーを目指しながら、日々精進するためのブログ「ビールを飲む理由」を書いています。サービス、飲食、フード、不動産にまつわる情報を書き込んでいます。飲食店、宿泊施設、民泊、結婚式場の経営者やオーナー、それを目指す人、サービス業に従事している人、就職を考えている人に有益な情報を届けるためのブログです。やがて、そうした人たちの交流の場になれば最高です。

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