具体的には「被害は1981年以前の建物に大きく、現行の建築基準法・同施行令が改正された1981年を境として建物の耐震性に大きな差のあることがが指摘された」という。「風呂なし物件」の多くは同年以前に建築されており、基準を満たしていない。耐震補強もなされていないものがほとんどで、首都直下型地震が発生すれば大きな被害を受ける可能性が高い。
阪神・淡路大震災では地震当日の死者5036人のうち約3500人が圧死や窒息死などの圧迫死だったが、その多くは倒壊した木造家屋の下敷きで亡くなっている。中には家屋の瓦礫(がれき)に閉じ込められ、その後に発生した火災に生きながら巻き込まれて焼死するという悲惨な事例すらあった。
阪神大震災では木造家屋倒壊による死者の多くは即死だったとみられている。震災時の家屋崩壊は瞬時に起こり、難を逃れるのは不可能に近い。首都直下型地震を想定するならば、1981年以前の基準で建築された「風呂なし物件」は避けるべきだ。
「風呂なし物件」でも耐震強度が保証されているケースはある。1981年以降に建設されたトイレ・シャワールーム付きの極小ワンルームだ。選ぶとしたらこちらだが、家賃も5万〜6万円と高い。しかし、命のためならお金を惜しむべきではないだろう。
文:M&A Online編集部
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