営業赤字に転落したブルボンがバウムクーヘンに活路、マルキンに間接出資

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※画像はイメージ

チョコレートの人気領域で存在感を発揮できない

原材料やエネルギー高の影響は、他の大手菓子製造企業の業績にも打撃を与えています。森永製菓<2201>は2023年3月期の営業利益が2.9ポイント、明治ホールディングス<2269>は1.3ポイント落ちる見込みです。

しかし、ブルボンは競合他社と比較して悪化する様子が際立っています。

※各社決算短信より(江崎グリコの決算月は12月)

しかも、国内の菓子市場は中長期的には縮小の道を辿っています。

富士経済の調査によると、2021年の菓子の市場規模は前年比0.4%増の1兆2,379億円と横ばい。2026年は2.8%減の1兆1,985億円と予測しています。菓子は少子高齢化による内需縮小の影響を強く受けています。

現在、菓子市場を下支えしているのは、外食が減って家庭内での飲酒機会が増えたことによるおつまみ系スナック菓子。ブルボンにはこの領域に強みを持つ商品がありません。ブルボン主力商品の一つ「アルフォート」のチョコレート菓子は、明治の「チョコレート効果」や江崎グリコの「GABA」のように健康志向、機能性を前面に出したものへと人気が移行しています。ブルボンは「MCTプラスベイクドショコラ」など機能性の高い商品を開発、販売していますがヒットには結びついていません。

過去5年を振り返っても、ブルボンが目立ったM&Aを行った形跡はありません。今回の間接的なマルキンへの出資と、業務提携契約の締結は、経営の方向性を大きく変える可能性があります。業務提携後の動向に注目が集まります。

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