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【識学】買収したプロバスケチームが黒字に 投資も活発化
識学が2020年に傘下に収めたプロバスケットボールチーム「福島ファイヤーボンズ」の運営事業スポーツエンタテインメント部門が、2022年2月期第4四半期に買収後初となる黒字に転換する見込みだ。
組織コンサルタント事業を展開する識学<7049>は、会社を売りたい経営者に同社のコンサル先の顧客企業約3000社の中から最適な買い手を紹介するM&A仲介事業に乗り出した。
顧客企業は組織運営がしっかりしており、譲渡後もマネジメント上の問題が起こりづらく、売り手企業の社員が安心して働くことができる点をアピールする。
M&Aを支援することで、顧客企業の生産性を高めるとともに、技術や人材が承継されることで、中小企業の後継者不在問題の解決にも貢献するのが狙いという。
日本の中小企業の60%ほどは後継者が決まっておらず、廃業の多発が懸念されている。解決策の一つとしてM&Aが注目されており、今後も仲介事業に参入する企業は増えそうだ。
識学は売り手企業に対し、何を譲渡して何を残すのかを、弁護士や会計士らの専門家と一緒に考え、最適なスキームを構築するなどの譲渡前の検討から、実際のマッチング、M&A後のPMI(M&A後の統合作業)まで全段階を支援する。
売り手企業の費用は、最適なスキームを構築するための50万円が基本で、着手金や中間報酬、成功報酬などは無料で対応する。
一方、買い手企業には取引金額に応じて報酬料率が逓減するレーマン方式を適用し、成功報酬の最低金額は2000万円とした。
識学では「M&Aや事業承継を戦略的に考え、経営者の視点で最適な譲渡を実現する」としている。
東京商工リサーチ(東京都千代田区)によると、同社が2021年に実施した約17万社を対象にした調査では、59.9%の企業で後継者が不在だった。
また、後継者不在による倒産(負債1000万円以上)について調査したところ、2022年は422件(前年比10.7%増)に達し、2013年以降では最多となった。3年連続で前年を上回っており、400件台に乗ったのはこれが初めてという。
要因別では、経営者の「死亡」が223件で半数以上を占め、「体調不良」の138件と合わせると全体の8割強に達した。
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文:M&A Online編集部
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識学が2020年に傘下に収めたプロバスケットボールチーム「福島ファイヤーボンズ」の運営事業スポーツエンタテインメント部門が、2022年2月期第4四半期に買収後初となる黒字に転換する見込みだ。