中小建設会社の後継者難を救い、自社商品の用途開拓を進める

M&Aとしては、これまで化学薬品の専門商社を子会社化したほか関連事業への進出がいくつか見られるが、角丸建設という選択は意外だった。このM&Aについて、同社はニュースリリースで次のように意図を示している。

「『土木建設』事業についてはコニシの成長戦略の柱として位置づけ、一層の強化に取り組んでおり、その一環として角丸建設の株式取得を行う。角丸建設は約 40 年にわたり東海地方を中心に建築工事、リノベーション工事、土木工事の3事業を展開し、高い技術力を有し、当社グループが有する補修・改修・耐震・補強工事に関する材料・工法・施工能力と全国に展開する営業ネットワークを活用することにより、シナジーを発揮し、収益拡大を目指す」

コニシにとっては、従来の「化成品事業」「ボンド事業」「土木建設事業」という事業の柱、特にそのなかでも第3の柱ともいえる「土木建設事業」のより一層の拡充を図る買収である。

一方の角丸建設はどうか。同社の資本金は2,000万円、2016年6月期の売上高は約50億円強、純利益は2億3,800万円。東海地方の地場の優良建設会社だが、一方で中小企業にありがちな後継者難という課題を抱えていた。このM&Aには、角丸建設にとっては伊藤明社長の後継者難の打開策という思惑もあったのだろう。今後の事業継続を見据えて実施した株式譲渡ということになる。

大株主である伊藤明氏(63.1%)のほか、個人株主6名より株式を取得することでM&Aが実現した。買収額は非公表だが、40億円強とみられる。

文:M&A Online編集部