「ソフトバンクによるARM社買収について」

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 特にシナジー効果についてはソフトバンクの既存事業との直接的な結びつきが見えない中、孫社長は「囲碁でいえば飛び石。10手先、50手先を考えて打った」と説明されています。

 おそらく常人には考えもつかないような未来図を孫社長は描いており、その中では着実にARM社の果たす役割は重要だということでしょう。

 あるビジネス誌においても、ARM社はIoT時代のプラットフォームの中核の1つで、もちろんそれだけではプラットフォームを作り上げることはできないが、重要な要素の1つであり、今後足りないものを継ぎ足して行ってIoTのプラットフォームを作り上げて行くような趣旨の発言をされていました。そしてそれがAI(人工知能)とも繋がっていくと。

 ソフトバンクの開発したロボットである『ペッパー』は感情エンジンを持つAIを備えたロボットで、これがARMの技術と最終的にはシナジーを有し、我々の生活にとって意義のある新たなものが生み出されるということでしょう。

 優れた経営者の方は、いつも時代の数歩先を予測し、そこで必要とされるものを開発することで、会社を成長させてきました。事業意欲と言ってしまえば簡単ですが、おそらくもの凄い執念をもって時代を変えて行く気概を備えないと、大事を成すことはできないと思います。そしてそのようなこだわりというか意識の高さは、トップアスリートにも通じるものがあると思います。

 いつの時代も常人には理解しがたい発想は、ともすればほら吹きやペテン師、ドンキホーテ的と言われ兼ねないですが、自分の描いた世界を信じ抜くことで何かをやり遂げた例は数えきれません。

文:株式会社ビズサプリ メルマガバックナンバー(vol.035 2016.8.17)より転載

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