「TOBってなあに? もうかるの?」

※この記事は公開から1年以上経っています。
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 こちらが買い手会社側のイオンディライトのプレスリリースですTOBの諸条件が記載されています。

 そして、こちらが買われる会社側の白青舎のプレスリリースです。会社としてTOBに賛成する旨およびその理由が記載されています。

 すごいですね。プレミアムが。

 公表されたのが10月27日の夜。10月27日の終値が1株335円です。

 これを「1株800円で買うよ~。」ということなので、コントロールプレミアムを140%ほど乗せたということになります。

 買付予定数7,619,207株×800円=約61億円の予算となりますね。
 仮に市場株価を335円とすれば
 7,619,207株×(800円-335円)=約35億円のコントロールプレミアムを上乗せしたことになります。買い手さんとしては、「35億円上乗せしても勝算がある」という判断でしょう。

 プレスリリースによれば、少数株主にも配慮した株価ということのようですし、仮に100%の株を集められなくても、最終的に100%にするために、その後、スクイーズアウト(用語解説はこちら http://www.strike.co.jp/maword/0136.html)的な方法も検討しておられるようです。

 例えば、アナタがこの白青舎の株を10,000株持っていたとするじゃないですか。そうすると10月27日には、335円×10,000株=3,350,000円の価値ですよね。

 で、このまま持っていて、買付けに応じれば
 800円×10,000株=8,000,000円
 のキャッシュを手にすることができるわけです(もちろん、譲渡益に20.42%の税金はかかりますけどね)。

 株式などを譲渡したときの課税(申告分離課税)
 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1463.htm

 ですから当然、応募前に売る人はほとんどおらず、毎日ストップ高のようです。それはそうですよね。応募者の全株を買い取ってくれる(注:全株買い取りか上限付きか、上場維持かは応募前に確認してくださいね)という条件なので、持っていれば800円になるのが確実なのでリスクがありません。

 少し気になるのが、

日付 始値 高値 安値 終値 出来高
2015年10月27日 334円 335円 334円 335円 6,000株
2015年10月28日 415円 415円 415円 415円 2,000株
2015年10月29日 495円 495円 495円 495円 3,000株
2015年10月30日 575円 575円 575円 575円 4,000株

 「28日以降に売ってるのは、誰なんだろう・・・」という話ですけど・・・。
 持っていれば1株800円になる株を、あえて400~500円台で売っている人・・・ってどういう事情があるんでしょうかね。

「TOBってなあに? もうかるの?第2回目、「善管注意義務」と「のれん」」を読む

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