過去にアマゾン、アップルも合同会社に組織変更

先に述べた合同会社ですが、2006年の会社法施行に伴い、新しく導入された会社形態です。出資額以上の責任を負わない有限責任社員のみで構成され、株式会社に近い形態です。設立が比較的容易で、機動的な会社運営が行いやすいといった利点があり、ベンチャー企業の起業に適するとされています。株式会社と異なり、利益配分は出資比率にかかわらず、定款に自由に決められるのも大きな特徴です。

外資系企業が採用に積極的のようです。2016年にアマゾンジャパン、2011年にはアップルジャパンがそれぞれ株式会社から合同会社に切り替えています。当然ですが、合同会社形態のベンチャー企業が株式上場を目指す段階では、株式会社に組織変更しなければなりません。

こうした組織変更の際、株式会社では株主の同意、合同会社など持分会社では社員の同意が必要となります。なお、持分会社間での変更は「種類の変更」とされ、「組織変更」にはあたりません。ここまででお気づきかもしれませんが、有限会社が見当たりませんね。先の会社法で有限会社という会社形態は消滅し、新設できなくなったのです。

組織再編はM&Aのスキームそのもの

組織再編に話を戻しますと、4つあるパターンは既存会社を活用するか、新会社設立を伴うかによって「吸収型」と「新設型」に大別できます。合併会社分割については吸収型、新設型の両方があります。例えば、会社分割は会社の事業を他社に譲渡する場合に使われますが、事業を承継する会社が既存会社だと吸収分割、新設会社だと新設分割と呼ばれます。

株式交換というのは吸収型で、自社の株式を対価に他社の株式をすべて取得して完全子会社化する際に利用されます。もう一つの株式移転は新設型に属し、共同持ち株会社形式による経営統合の際に有用なものです。

こうみてみると、組織再編はM&A(企業の合併・買収)のスキームそのものだといっていいですね。

東京・大手町のビジネス街

文:M&A Online編集部