男性にもあるマリッジブルー

「マリッジブルー*」というと女性特有のイメージが強いですが、当然男性の側にもあります。今どき、男性が一手に家庭を支えるという考え方は古めかしいものでしょうが、それでも、結婚式の準備、パートナーとの将来、家庭を作っていくことなど将来を考えるタイミングになると、やはり男性はいろいろ身構えてしまい思い悩んでしまうようです。

*結婚を控えた人が間近に迫った結婚生活に突然不安や憂鬱を覚える心理現象のこと

のび太は、あこがれの存在だったしずかちゃんを妻に迎えるのですから、その緊張はひと際強いものだったのでしょう。その結果、のび太は結婚式当日、突然姿を消します。

©2020「STAND BY MEドラえもん2」製作委員会

ジャイアンは怒り、スネ夫は呆れるばかりです。そこで奮闘するのがおばあちゃんとの約束を守るために現れた<現代>のび太。しかし、何せダメな小学生のび太のすることですから簡単には進みません。

この辺りのエピソードは男性が共通して持っている弱い部分を突き付けられているような気がして、思いのほか胸に刺さります。そして、ここからは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ばりのタイムトラベルアクションが展開されます。

クライマックスは大人仕立て

“おばあちゃんの思い出”編をベースにした前半は、他のドラえもん作品と比べると、とてものんびりした時間が過ぎますが、結婚式場からのび太が逃げてからの後半戦は一気にテンポアップ。タイムマシンで過去から未来まで行き来し、さらに“とある道具”を巡り、タイムリミットサスペンスのような展開に。この時間の往来のエピソードなどは、その仕組みの説明も含めてどちらかというと大人向けのエピソードと言えます。

STAND BY MEブランドのドラえもんは、従来のターゲットである子供たちより、“かつて子供としてドラえもんを楽しんでいた大人たち”に向けて作られています。

前作ではまだ手探りの感があった3DCGアニメーションも、6年経ち技術面の安定を感じられる作りに仕上がっています。タイアップによって未来都市のいたるところに実在の企業名が出ているのも変わりません。この描写シーンを企業に支配された未来都市像と表す意見もありますが、ご覧になった時の感想はいかがでしょうか?

最後に。物語の展開は、前作『STAND BY MEドラえもん』からつながっているので、できれば前作をご覧になった上で劇場に向かわれることをお薦めします。

文:村松 健太郎(映画文筆家)

ⒸFujiko Pro/2020 STAND BY ME Doraemon 2 Film Partners

原作:藤子・F・不二雄
監督:八木竜一
脚本・共同監督:山崎貴
音楽:佐藤直紀
主題歌:菅田将暉「虹」(Sony Music Labels Inc.)
キャスト:水田わさび 大原めぐみ かかずゆみ 木村昴 関智一 宮本信子 妻夫木聡
配給:東宝
公式サイト:doraemon-3d.com
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