売り上げについてさらに詳しく見ていく。以下のグラフは森永乳業と森永製菓の部門別売上高を合算したものである。連結売上高7833億円のうち、食品事業が7592億円、全体の97%を占めている。
一方、明治ホールディングスの食品事業の売上高は1兆607億円と全体の87%を占めており、森永の1.4倍の売り上げ規模を持つ。加えて医薬品事業も1629億円の売り上げを上げており、収益の2本柱となっている。
こうした規模の違いが、収益力にも反映している。下のグラフは売上高を100%とした場合の損益計算書の一部項目を抜粋したものである。明治は売上高営業利益率が6.4%に対し、森永は3.3%と見劣りする。売上原価率は明治が63.6%と森永(65.6%)より2ポイント低い。販売費・一般管理費比率は明治が30.1%、森永が31.1%と1ポイントの差で、原価率の差が収益力格差につながっていることが分かる。
森永乳業と森永製菓はそれぞれアイスクリームを製造するなど重複する部門もある。両社が経営統合すれば、お互いのノウハウを持ち寄って生産を効率化したり、研究開発やマーケティング費用を削減したりして、コスト競争力を高められるかが課題となる。