GCと聞くと「ゴルフ倶楽部」を思い浮かべる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、財務周辺に関わりを持つ方なら「ゴーイング・コンサーン(Going Concern)」すなわち「継続企業の前提」という意味で使用するケースが多い略語といえるでしょう。

継続企業の前提に関する注記(GC注記)は、企業経営に黄信号が灯ったときに開示される情報です。この注記には具体的にどのような意味があり、また、どのような検討を経て開示されるものなのか。今回はその概要を紹介したいと思います。

そもそも「継続企業の前提」とは何なのか

継続企業とは、文字どおり、企業が将来にわたって経営を継続していくことを意味しています。それでは、この継続企業の「前提」について、わざわざ開示を行う理由はどこにあるのでしょうか。「前提」という少し格式ばった用語を使用しているのは、その背景に会計理論が関係しているためです。

現実的な意味合いとしては、継続企業であることが、市場において投資家が企業に対して投資するための「前提」でもありますし、金融機関などが融資を行う「前提」にもなっているでしょう。ただし、本来の意味としては、会計の世界において継続企業が「会計公準」(会計における基礎的な前提条件)の一つになっていることを示しています。

もし、継続企業を前提としないのであれば、資産や負債は企業が清算することを前提とした価値で評価するのが適切かもしれません。つまり、金目のモノは売り払い、借金は返せる額だけ返すことを前提とした貸借対照表(バランスシート)が正しいとも考えられるのです。

しかし、企業会計の実務では、設備投資をした場合には取得原価をもとに将来の期間にわたって費用化(減価償却)していくような方法を採用しています。すなわち、継続企業を前提とした会計処理を行っています。

このように有価証券報告書に掲載されている会計情報が継続企業を前提としているがゆえに、その前提に疑義があるような場合には読者に対して注意喚起が必要となります。これがGC注記の役割といえます。