M&Aを実施した際、外部のファイナンシャル・アドバイザーなどに対して多額のアドバイザリー報酬が発生します。一般に、株式を取得するために要した費用は株式の取得原価に含まれますが、こうした多額のアドバイザリー報酬も株式の取得原価として「資産計上」されるのでしょうか。あるいは、報酬が発生した期に「費用計上」されるのでしょうか。今回はM&Aにおけるアドバイザリー報酬に着目してみましょう。

買収した子会社の株式は決算書ではどのように計上される?

買収した子会社の株式は親会社決算書では子会社株式などの科目で資産に計上されます。計上額は、取得の対価に加え、取得のために直接要した費用などが含まれます。

これに対して、グループ全体の決算書である連結財務諸表では、買収した子会社の資産や負債もグループの資産および負債として連結貸借対照表に計上される一方、親会社の貸借対照表に計上されていた子会社株式は連結財務諸表を作成するプロセスで相殺消去されます。つまり、子会社の株式はそもそも連結財務諸表には登場しません。

アドバイザリー報酬の処理はどうなる?

アドバイザリー報酬とは、証券会社や投資銀行などのファイナンシャル・アドバイザーに対する報酬、ビジネス、財務、税務、法務などのデューデリジェンスに対する報酬を指します。

従来、このようなアドバイザリー報酬は、株式取得に直接関連するものであれば、基本的に株式の取得原価に含められてきました。つまり、冒頭の表現を使用すれば「資産計上」されてきたことになります。

ところが、「企業結合に関する会計基準」が改訂されたことにより、平成27年4月以降は、連結財務諸表においてはアドバイザリー報酬を費用として処理するようになっています。これに伴い、個別財務諸表では「資産計上」、連結財務諸表では「費用計上」となります。

連結財務諸表にどのような影響がある?