連結子会社ができると、その子会社を含めた連結財務諸表を作成することになります。それまで作成していた単体の財務諸表をもとに連結財務諸表を作成するので、連結作業自体が特有のものであるのは当然でしょう。

それに加え、単体財務諸表と連結財務諸表では会計処理の仕方や開示の仕方も異なります。今回は、単体財務諸表から連結財務諸表への変更でどのような点が異なることになるのかを紹介したいと思います。

連結中心のディスクロージャー

上場会社などが提出する有価証券報告書では、連結子会社がある場合、連結財務諸表を中心とした開示となっています。すなわち、連結財務諸表が先に掲載され、後のほうに親会社の単体財務諸表も掲載されるという体裁です。また、四半期報告書では連結財務諸表のみの開示となっています。

実は、今でこそ連結中心の開示が当たり前となっていますが、有価証券報告書における掲載順序が連結財務諸表優先となったのは2000年3月期以降のことです。それまでは、個別財務諸表が先に掲載されていました。このように、新たに連結子会社ができることによって開示の仕方自体が連結中心に変わってくることになります。

「包括利益」という概念が加わる

会社の業績を示す「損益計算書」の最終利益といえば「当期純利益」というイメージがあるかもしれません。ところが、EDINETなどで連結財務諸表を開示している会社の有価証券報告書を閲覧してみると、単体の「損益計算書」に相当するものとして「連結損益計算書」および「連結包括利益計算書」を開示していることが分かります。

「連結損益計算書」の最終行が「当期純利益」から「非支配株主に帰属する当期純利益」を差し引いた「親会社株主に帰属する当期純利益」になっています。その続きとして、「連結包括利益計算書」においては「当期純利益」に「その他の包括利益」を加えた「包括利益」が最終行となっています。

「包括利益」というのは、一般に馴染みのある「当期純利益」にデリバティブや有価証券の時価評価差額、退職給付にかかる調整額といった為替や金利などの指標の変動による損益を加えたものです。

こうした損益は、従来考えられていた企業努力の成果とは一線を画するものの、企業価値を判断するのに重要な情報として「包括利益」を構成するものと考えられています。連結財務諸表を作成するときには、こうした利益概念に対する理解も必要となるわけです。