こんにちは、公認会計士の岡 咲(おか・さき)です。(ペンネームです。会員検索してもこの名前では出てきませんので、悪しからず。)

本連載も今日が最終回です。第三者割当増資の仕訳について説明させていただきます。

1.第三者割当増資スキームについて(取引概要)

 第三者割当増資は、増資を受ける会社が特定の相手方を個別に指定して新株を発行し、増資を行う取引です。 増資を受ける会社にとっては、新株式の発行により現金を受領し、資本金・資本剰余金が増加する取引、増資を引き受ける側にとっては、現金を支払って株式を購入する取引となります。 

 増資の引き受け単価が既存株式の時価よりも安い場合は、いわゆる有利発行となり、既存株式は希薄化により株式価値が下落して損害を被ります。逆に増資の引き受け単価が既存株式の時価よりも高い場合は、逆希薄化により株式価値が上昇して利益を得ます。 

 有利発行は資金繰りの苦しい会社の増資や事業再生など増資を引き受ける者にとってリスクの高い投資となるケースで採用されます。

 逆希薄化は、上場の可能性が高まった段階の上場準備会社が機関投資家から増資を受けるにあたり交渉時点の株式価値よりも高い価格を打診した場合に、機関投資家側が期待しうる将来の公募価格、上場初値と提示額を比較し、上場失敗リスクや業績悪化リスクその他の考えうるあらゆるリスクを織り込んでも投資妙味があると判断した等の理由で、高い価格での増資が合意されたケースなどで発生します。