「電力不足だからこそ、電気自動車を普及させるべき」理由とは

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(写真はイメージ)

EVが普及すれば電力不足は、むしろ回避できる

もし電力が備蓄できれば、どうだろう?発電量を一定に保って余剰電力を保存しておき、需要のピーク時に電力を放出すれば「電力不足」は起こらない。現実に深夜の電力を利用して貯水池の水をポンプでダムに汲み上げ、需要のピーク時に水力発電で電力を供給する揚水発電所が存在する。

電力を溜めるもう一つの方法は蓄電池だ。しかし、まだコストが高い。家庭でピーク時の節電要請への対応のためだけに家庭用蓄電池を購入する人はいないだろう。では、それ以外の用途で使うのならどうか?その有力候補がEVなのだ。コンセントを備えて停電時に電気製品が利用できるEVも多い。

家庭の配電設備に接続し、停電時に家屋に電力を供給する「Vehicle to Home(V2H)」システムもある。日産自動車<7201>によると「リーフe+」に搭載している容量62kWhのバッテリーは、2人暮らしの一般家庭で4日分の電力を蓄電できるという。

デンソーのV2Hシステム概念図(同社ホームページより)

つまり家庭にEVが普及すれば、深夜に充電しておいて電力不足の時間帯に利用することが可能で、ピーク時のグリッド負荷を抑える「節電効果」が期待できる。「電力不足だからこそ、EVを普及させるべき」が正しい認識と言えるだろう。

文:M&A Online編集部

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