加入者が自分で運用する確定拠出型年金の加入者数が年々増加している。一方で税制上のメリットがあるお得な商品であるにもかかわらず、預金でしか運用していないというもったいない使い方をしている人も多いようだ。今回は確定拠出年金の加入者である個人側も、それを運営する会社側も知っておくべき項目について述べてみたい。
企業年金が存在する最大の理由は、年金の節税効果が企業にとって人件費の節約につながるからである。企業年金の掛け金は、確定給付型であっても確定拠出型であっても、従業員の課税対象所得にならない。そのため企業は、年金を通して社員に報酬を支払うと、年金を通さない形(通常の給料やボーナスなど)で支払うよりも実質的に少ない人件費で社員に同額の手取り所得を渡すことができる。キーワードは「節税効果」である。
企業型の確定拠出年金の場合、当初から金融機関に「丸投げ」だったり、あるいは金融機関に対する交渉力が弱かったりする場合には、運用する側にとって望ましくない状況になっているということがあり得る。
運用管理費用(信託報酬)が高い商品が多数並べられていたり、商品数が多すぎて加入者が運用対象を選びにくい状況が放置されていたりする場合がこれにあたる。定期的に行うことが望ましい「投資教育」についても、制度設計依頼一度も行われていない企業も数多く存在すると聞く。
金融機関も営利企業である。同じ期間運用するなら、少しでも多くの手数料収入が見込める商品で運用してほしいというバイアスが働くのは仕方のないことである。
逆に運用する側からすると、①手数料の高いアクティブファンドは選ばない、②選択する商品(運用商品)が多すぎることに惑わされない、③運用管理費用(信託報酬)が低い商品を選ぶ、この3つだけを確実に守れば非常に有効な投資効果が見込めるはずである。
マッチング拠出(会社と加入者本人が掛け金を互いに拠出)なども含めて、もっと確定拠出年金を利用してもらいたい、定期預金に資金が放置されている状況はもったいない、加入者には手数料が高い商品を避けてほしい、など確定拠出年金の事務局の部署では既に問題意識として挙がっていることも多いと聞く。
これに対処するためには「マネーリテラシー研修」の開催をお勧めする。そのときに重要なのは、利益相反の可能性や情報提供における制度的な制約のない第三者から伝えてもらうことである。
社員向けのマネーリテラシー研修にあっては、制度を運営している金融機関ないし、そのグループ会社などの関係者を決して使わないことが、大切な従業員のお金に一生懸命働いてもらうためにも重要なポイントである。
文:晴れの国トレーダー
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