「無責任廃業 小規模事業こそM&Aを目指しなさい」|編集部おすすめの1冊
「ただ廃業することは、無責任。最後まで、責任を持って廃業しませんか」。著者は中小企業の経営者に、こう呼びかける。その責任ある廃業とはM&Aだという。
数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。
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「アライアンス思考 CVCによるスタートアップとの提携」 冨田賢著、日本ビジネス出版刊
既存事業を拡大させると同時に、次代に向けて新規事業をいかに立ち上げるか。すべての企業に共通する普遍的なテーマだが、どんな企業も自社単独では経営資源に限界がある。目まぐるしい変化の時代にあってはなおさらだ。では、いかに外部と組むべきか。本書は「アライアンス」にフォーカスし、その手ほどきを教えてくれる。

本書が想定読者とするのは大企業。これまでの自前主義から脱却して、オープン・イノベーションによって外部から積極的に技術やアイデア、人材などを取り込んでいかなければ、新規事業の創出は望めないと強調する。変化の速い時代にはスピード感も一層重要性を増す。そこで今、急務となっているのがスタートアップとのアライアンス(提携、協業)だという。
大企業とスタートアップのアライアンスを推し進める具体的な方策として提案するのがCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)の活用。スタートアップに投資して接点を持ち、新規事業のシーズ(種)を獲得するというアプローチだ。ゼロからイチを生み出す部分はスタートアップに担ってもらい、大企業はそのシーズを大きくするところにかかわる。
通常のVC(ベンチャーキャピタル)は財務的なリターンを求めて投資し、資金回収は投資先のIPO(新規株式公開)やM&Aを通じて行われるのが一般的。これに対し、事業会社が設立するCVCは自社事業との相乗効果の創出など戦略的なリターンを目的にする。
本書はアライアンスの考え方やメリット、パターンや理論を解説したのち、5章~7章でCVCについて集中的にレクチャーしている。CVCの仕組みや設立の仕方や形態、投資案件の発掘、投資審査。投資決定にいたるプロセスを知ることができる。
設立形態としては主に①自社の本体勘定から直接投資を行う②子会社のVCを設立する③VCファンドに他の投資家と共同で投資する④外部VCと自社専用ファンドを設立するーの4つがある。本書では外部VCと事業会社の2社で運営するのが④のタイプ(いわゆる「二人組合」)を中心に解説している。
言うまでもなく、CVCは投資しただけでは意味がない。何らかの新規事業につながっているかどうかが最大のポイントとなる。投資を戦略的リターンの獲得につなげるためのフォローアップ、投資委員会での検討事項、既存事業部との連携、新規事業の芽が出てきた後の対応など、勘どころを押さえている。
著者はCVCファンドの運営や経営コンサルティングを手がけるCVC JAPAN(東京都港区)を率いる。慶応義塾大学で博士号(政策・メディア)を取得し、実践と理論の両面に通じる。(2022年9月発売)
文:M&A Online編集部
「ただ廃業することは、無責任。最後まで、責任を持って廃業しませんか」。著者は中小企業の経営者に、こう呼びかける。その責任ある廃業とはM&Aだという。
本書はコーポレートガバナンスについてのエッセイ(気軽に自分の意見をまとめた文章)集である。
一口5億円や10億円といった大口投資を対象とプラしていたイベート・エクイティ(PE)ファンドが、大きく変わろうとしている。個人投資家による小口の投資が可能になりつつあるのだ。
M&A Online編集部が今回取り上げるのは「新釈 成功するM&Aの進め方」(坪井孝太著、ダイヤモンド社刊)。中規模以上のM&Aをシームレスに進め、成功に導くための要諦を解説した一冊。
経営破綻した太平洋クラブの社長に就任した、マルハン創業者子息の韓俊氏が、どのように名門ゴルフ場を再建していったが綴られているのが本書。グリーンキーパーやキャディユーチューバーらの声も収録している。
本書は日本企業がイノベーションを起こし、再び世界に影響を与える存在になるための道筋を示しており、どのようにすればイノベーションを起こせるかの具体策が盛り込まれている。
2022年4月~6月に出版されたM&A関連の書籍や特集記事を組んだ雑誌を紹介します。
代企業において重要な経営資源のひとつである組織能力を企業再編によって「他社に移転することができる」ーもっと簡単に言えば「組織能力は移転することができる」のだという。
エイチ・ツー・オー リテイリングとオーケーが、関西スーパーを巡って繰り広げた争奪戦をまとめ上げたのが本書。日本企業が株主総会のあり方を考えるうえで、参考になる一冊といえそうだ。