数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。
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「株主管理・少数株主対策ハンドブック」 加藤 真朗編著、日本加除出版刊
会社法は少数株主のために多くの権利を与えている。相続や経営方針の相違、保有する株式の買い取り請求などが発生した場合には、少数株主が多くの権利を行使する可能性がある。経営者が少数株主との間で対立状態になれば、多くの時間と費用が必要となることが容易に予想できるだろう。
会社は株式によって経営を支配できる。中小企業の中には株式の重要性を認識していない経営者が少なくなく、長年社長として経営に携わっていても、過半数の株式を保有していなければ、解任されてしまうことも起こり得る。
会社の支配権を維持し、少数株主との紛争を防ぎ、損失を最小にすることを主眼に置いて書かれたのが本書だ。

中小企業経営者は、会社経営を安定させるために常日頃からこうした問題に意識を向ける必要がある。後継者への事業承継や、他社への譲渡(M&A)などの際にも、この問題は浮上してくる。代替わりはどの企業にも必ず訪れる。少数株主対策は避けては通れない道なのだ。
本書は7人の弁護士が執筆しており、第1編の「株主管理」、第2編の「決議権の確保」、第3編の「コンプライアンス経営」の3編構成で、序章では「株主管理・少数株主対策の重要性」について触れてある。
具体的な事例を用いて平易に解説してあるため、弁護士向けの法律実務書ではあるが、企業の経営者はもちろん、税理士や会計士などの専門家にとっても株主管理を実践していくうえでの参考書として有益だろう。
その特徴をよく表しているのが3種のチェックリストだ。「自社は株券発行会社か」といった当該の企業にどのような問題があるのかを把握できる25項目からなるチェックリスト。「株式買い取りについて任意交渉ができるか」といった議決権確保に関する10項目のチェックリスト。
さらに「株主総会を開催しているか」といった、どの程度のコンプライアンス経営ができているかを把握できる8項目のチェックリストがそれだ。これらを活用することで現状や対策が見える化できる。
テーマごとに内容をまとめた「ポイント」が随所に配置されており、これを読めば、正にポイントを確認することができる。経営者に一読をおすすめしたい一冊だ。(2022年6月発売)
文:M&A Online編集部
本書は日本企業がイノベーションを起こし、再び世界に影響を与える存在になるための道筋を示しており、どのようにすればイノベーションを起こせるかの具体策が盛り込まれている。
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あなた自身がM&Aを検討している場合、あるいは、あるM&A案件の有用性を外部または内部に説明しなければならない立場である場合、「新版 企業戦略論 戦略経営と競争優位(下)」は役に立つだろう。
企業買収は買収成立がゴールではなく、そこがスタートとなる。文化の異なる2社の経営を統合する作業がそこから始まるからだ。本作品はフィクションだが、PMIを追体験できる内容に仕上がっている。
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