ゴルフ場の名門と言われる太平洋クラブを設立したのは、平和相互銀行創業者の小宮山英蔵氏。今から51年前の1971年のことだ。
当時、平和相銀は100を超える店舗と、1兆円を超える資金量を持つ第6位の相互銀行で、太平洋クラブ設立の翌年には、プロ野球チーム西鉄ライオンズのメインスポンサーとなり、球団名を太平洋クラブ・ライオンズに変更。これによって太平洋クラブの知名度は一気に高まった。
太平洋クラブはその後、経営が苦しくなり、親会社が代わるなどの変遷を経て2012年に破綻し、民事再生を余儀なくされた。当時セルフプレーを多く取り入れカジュアル化路線を進む大手ゴルフ場運営会社のアコーディアがスポンサーとして名乗りを上げたが、結局実現せず、その後会社更生法の適用を申請。2013年にはパチンコ大手のマルハンがスポンサーとなり、再建に乗り出した。

本書は翌2014年に、太平洋クラブの社長に就任したマルハン創業者子息の韓俊氏がどのように名門ゴルフ場を再建していったが、綴られている。
すでにカジュアル化路線は否定されていたため、高級化路線に舵を切り、まずは荒れていたコースの改修に取り組み、キャディを増やし、サービスの水準を上げるなど、さまざまな施策を実行していった。
マルハンでは身だしなみと挨拶とクリンリネス(清掃と清潔な状態を維持すること)の頭文字を取って「MAC」という接客サービスのガイドラインを設けていた。これをそのまま太平洋クラブに取り入れた。
さらにマルハンでイズムと呼ばれていた経営理念やビジョン、事業方針、行動指針などからなる考え方やガイドラインなども取り入れていった。こうした施策が功を奏し、名門をみごとに復活させたのだ。
8章構成で、第1章の「太平洋クラブとその歴史」から始まり、数々の改革の内容を紹介するとともに、第6章の「達人たちの改革体験」では、グリーンキーパーやキャディら7人の生の声を掲載。最終章の「ゴルフ場の経済学」の中では、太平洋クラブ成田コースを舞台に活躍しているユーチューバー2人のインタビューも収録している。(2022年7月発売)
文:M&A Online編集部
本書は日本企業がイノベーションを起こし、再び世界に影響を与える存在になるための道筋を示しており、どのようにすればイノベーションを起こせるかの具体策が盛り込まれている。
2022年4月~6月に出版されたM&A関連の書籍や特集記事を組んだ雑誌を紹介します。
代企業において重要な経営資源のひとつである組織能力を企業再編によって「他社に移転することができる」ーもっと簡単に言えば「組織能力は移転することができる」のだという。
エイチ・ツー・オー リテイリングとオーケーが、関西スーパーを巡って繰り広げた争奪戦をまとめ上げたのが本書。日本企業が株主総会のあり方を考えるうえで、参考になる一冊といえそうだ。
あなた自身がM&Aを検討している場合、あるいは、あるM&A案件の有用性を外部または内部に説明しなければならない立場である場合、「新版 企業戦略論 戦略経営と競争優位(下)」は役に立つだろう。
企業買収は買収成立がゴールではなく、そこがスタートとなる。文化の異なる2社の経営を統合する作業がそこから始まるからだ。本作品はフィクションだが、PMIを追体験できる内容に仕上がっている。
今年も1月~3月の3カ月間で、40冊以上の書籍やM&Aの特集記事を組んだ雑誌が出版されました。