「愛の会社エグジット 売り手も買い手も幸せになる事業売却」|編集部おすすめの1冊

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数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。

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「愛の会社エグジット 売り手も買い手も幸せになる事業売却」吉田学著、みらいパブリッシング刊

経済産業省によると2025年までに中小企業の3分の1に当たる127万社が後継者不足によって廃業に追い込まれる可能性があり、127万社がそのまま廃業すると650万人の雇用と、22兆円が失われるという。

著者は後継者のいない中小企業の社長が、会社を第三者に売却することによって、自身や家族、社員、取引先などを幸せにする行為を「会社エグジット」と呼ぶ。

著者自身、創業から20年経った50歳の時に3年かけてベテラン社員に事業承継しようと考えたが、失敗し、5人いた後継者候補が全員退職してしまうという苦い経験を持つ。

その後1年で同業者に会社を売却した経験から、会社売却が事業承継のベストチョイスであるとの結論に達した。

愛の会社エグジット

第1部(第1章〜第5章)は、事業承継に悩み、会社を売ることに臆している経営者向けで、事業承継の最適解がなぜ会社売却なのかを説明した。

タイプ別に、7人の事例を紹介しており、どのタイプを身近に感じるかで、進むべき方向が分かる。会社エグジットをすでに決めている経営者も向かおうとしている方向を改めて確認することができる。

第2部(第6章〜第9章)は、会社エグジットを決意したものの、どう動けば良いのか迷っている経営者向けで、自らが陣頭指揮を執り、会社エグジットを成功させるための具体的な方法と流れを示している。

ドリルやチェックシートも用意されており、最終的にオーダーシートができれば、自信をもって行動に移すことができる。

著者は会社エグジットによって「業態を変え、100年以上続く会社を存続させる」「身軽になって自分が一人でできる事業を楽しみながら運営する」「会社エグジット後、南の島に移住し、理想の生活をおくる」といったことなどが可能になると説く。(2021年6月発売)

文:M&A Online編集部

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