「経営者こそ投資家である」|編集部おすすめの1冊
コロナ・ショック後の企業価値をどう向上していくかというテーマの下、フリーキャッシュフローの創出や投資の判断、株主への還元、資金調達などについて、具体的な事例を紹介しつつ分かりやすく解説している。
数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめする1冊をピックアップ。M&Aはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。
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「人事の超プロが本音で明かす アフターコロナの年収基準」 西尾 太著、アルファポリス刊
アフターコロナ・ポストコロナの状況下で、ビジネスピープルは何を基準に自分の市場価値を見極めて働き、ビジネスに取り組めばよいか、企業の人事部門は何を基準に人材を見極め、生かすべきかを指南した1冊。
著者は本書のタイトルにあるように「人事の超プロ」と呼ばれ、現在、「人事の学校」という人事の担当者の教育機関を主宰する。
実際の企業での人事経験も豊富だ。いすゞ自動車の労務部門、リクルートの人材総合サービス部門にかかわり、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)では人事部長、クリーク・アンド・リバー社では人事・総務部長を務めた。これまで1万人を超える採用や昇進面接、管理職研修、階層別研修などを手がけたという。
その人事経験を踏まえ、パーソナリティーとキャリア形成を可視化する適性検査「B-CAV test」を開発し、統計学に基づいた科学的フィードバック体制を確立した。その中で「年収の多寡は影響力に比例する」という持論に到達した。
本書の趣旨は明快だ。「頑張っているといったことはもはや無意味で、成果こそが揺るぎない価値になり、自分の価値を正しく知ることが年収アップへの第一歩となる」というのだ。
そのうえで自分の市場価値の客観的な見極め方、これからの時代に年収を決める重要なポイント、「ジョブサイズ」(仕事の大きさ、価値、レベル、難易度など)を通じたセルフチェックの仕方などを解説し、ジョブとミッション(使命)の違いを理解することが年収アップには欠かせないと説く。年収1000万円を超えるための働き方のポイントも興味深い。
巻末付録として「ジョブポイント一覧・ジョブサイズ算定表」「職種・職位別のシミュレーションサンプル事例」などを用意。働く側・雇用する側双方にとって有益かつ実践的な内容となっている。(2021年1月発売)
文:M&A Online編集部
コロナ・ショック後の企業価値をどう向上していくかというテーマの下、フリーキャッシュフローの創出や投資の判断、株主への還元、資金調達などについて、具体的な事例を紹介しつつ分かりやすく解説している。
今年(2020年)発売されたM&A関連や事業承継をテーマにした本をすべて紹介します。
あまり聞きなれない「カラ売り屋」の活動にスポットを当てた小説で「病院買収王」「シロアリ屋」「商社絵画部」の3編からなる。こんな世界もあったのかとの好奇心とともに、闇の世界の不気味さも伝わってくる。