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『組織再編税制で誤りやすいケース35』|編集部おすすめの1冊

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数あるM&A専門書の中から、新刊を中心にM&A編集部がおすすめの1冊をピックアップ。選書の参考にしてみては? 

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『組織再編税制で誤りやすいケース35』 西村美智子・中島礼子著 中央経済社刊

大事には至らなかったものの、物事を進めている最中に「ヒヤリ」「ハット」した経験は誰しもあるはず。税務の世界でも同じことがいえる。

ちょっとした条文の読み間違いや事実関係の誤認によって、多額の追加納税や欠損金の切り捨てといった形で“事故”が起きる場合がある。本書はM&Aと表裏一体をなす組織再編税制について、その道のプロが自身の経験や気づきをもとに、事故防止のポイントを実践的にレクチャーする。

組織再編税制で誤りやすいケース35

組織再編とは複数に会社を一つにしたり、会社の事業を他社に譲渡したりする行為をさす。

具体的には合併、会社分割、株式交換、株式移転の4パターンに分類される。競争力向上のためにライバル企業同士が経営を統合する場合や、親会社がグループ内再編の一環として複数の子会社や事業を集約する目的で利用される。これら一連のM&Aに際しての課税ルールを定めたのが組織再編税制だ。

組織再編税制の条文は複雑で、検討すべき項目も多岐にわたる。本書は35のヒヤリハット事例を想定し、「どの部分がどう間違えやすいか」「見落としやすいポイントは何か」などの勘どころを、マンガの助けも借りながら押さえた。

例えば、組織再編税制で優遇措置を受けるために必要となるのが「適格要件」。適格要件を充足しているか否かは、組織再編後の会社の支配関係が維持されているかなどの事実認定に帰する問題だが、条文の解釈ミスで生じるヒヤリハットも付きまといがちだという。

本書の1~4章は「まずはここから! 要注意な検討もれ」「適格要件では『無対価』『副次再編』に要注意」「伏兵! 欠損金制限、特定資産譲渡等損金の損金算入制限」「グループ法人税制、その他の留意点」の順で構成。事例ごとに注意点を解説する。

最終の5章「意外とコワイ! 勘違いのリスク・ワード」では持株割合、帳簿価額(簿価)、役員、資本金等の額、欠損(金)の5つを取り上げた。いずれも税務上の意味が一般的な感覚や会計上のニュアンスと異なり、ミス・コミュニケーションの原因になりやすいだけに、基本用語のおさらいに役立つ。(2020年10月発売)

文:M&A Online編集部

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