数あるM&A専門書の中から、新刊を中心にM&A編集部がおすすめの1冊をピックアップ。選書の参考にしてみては?
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『令和元年改正対応 図解 新会社法のしくみ(第4版)』 浜辺 陽一郎著・東洋経済新報社刊
2019年12月に成立した「改正会社法」(令和元年改正)に対応した最新版の定番入門書。会社法全体の概要を図解を使いながら、各項目(全128)につき2ページ完結で、簡潔にポイントをまとめた。
会社法は2006年5月に新しい法律として施行され、改正は前回2014年に続く2度目となる。
今回の改正は目玉の一つは株主総会資料の電子提供制度の導入。現在は原則として株主総会資料を書面で送付しているが、上場企業は今後、ホームページなどウエブサイトを通じた電子提供が義務づけられる。欧米に比べて遅れが指摘される株主総会の電子化を促す。
M&A促進につながると期待されているのが株式交付制度の創設だ。例えば、A社がB社の株式50%超を取得して子会社化する際、A社はその対価として自社株式をB社の株主に交付できるようになる。現行の会社法だと、こうした株式交換は完全子会社化を行う場合にしか利用できない。
完全子会社化を目的とする「株式交換」と区別するため、「株式交付」と名づけられた。名前だけみると紛らわしいが、今回の新制度は自社株対価TOB(株式公開買い付け)としての活用などが想定されている。
改正点はこのほか、株主提案権の行使の制限(株主提案できる議案数を10以下に)、取締役報酬の決定方針、会社補償・D&O(役員賠償責任)保険に関する規定の新設、社外取締役の設置義務、社債管理補助者の創設、支店所在地における登記廃止……など多岐にわたる。
取締役報酬の決定方針については客観性や透明性の確保の観点から、従来の指名委員会等設置会社にとどまらず、監査等委員会設置会社と監査役設置会社も求められるようになる。
今回の改正会社法は来年5月に施行される予定(株主総会資料の電子提供制度など一部は2023年5月までに施行)。
会社法は文字通り、会社のための法律。会社に関するあらゆるルールを定めている。その基本を押さえるうえで格好の一冊。(2020年5月発売)
文:M&A Online編集部
今年に入ってもM&Aや事業承継をテーマにした書籍の発刊が相次いでいます。2020年1-3月に出版されたM&A関連本をまとめました。
多少リスクがあっても積極的に投資するエンジェル投資家の実態を詳らかにすることで、日本のスタートアップの現状や今後の課題などを示した。 今この分野で何が起きているのかを本書を通じて理解することができる。