銀行はなぜ、複雑でテクニカルなスキームを描く傾向にあるのでしょうか。
それはもちろん、それが銀行にとって利益となるからです。銀行も営利企業です。自社の利益を減少させるような提案はしませんし、そのために動くはずがありません。
どこかで手数料を取れるとか、手堅い融資を自行に乗り換えさせることができる等々、何らかのメリットがないと動きません。
逆の立場になったらよく分かりますが、銀行の担当者なり、上役なりが、銀行の利益を減らす、つまり、銀行内での自分の評価を下げるような動きをするはずがありません。ですから、まずは銀行からの提案は疑ってかかるくらいが丁度良いのです。
実は、大手コンサルティング会社(特に外資)も銀行と似た体質を持っています。
これも良く誤解されているのですが、コンサル会社内で出世して偉い肩書が付いているコンサルタントは、コンサルスキルが高いから出世しているワケではありません。
コンサル会社により多くのコンサル報酬をもたらすスキルに長けているから出世しているのです。
これも銀行と同様に逆の立場になって考えたらすぐに理解できます。
ここでなぜ、私のような外部の専門家にアドバイスが求められるかというと、我々は目先の報酬額よりも長期的なクライアントの発展の方を優先している存在だからです。言い方を変えると、超長期的な会社の発展が自分の発展であるという視点、つまり100%クライアントの立場で見解を述べるからです。銀行という巨大組織の中で、社内での自分の評価を優先してスキームを描くというスタンスとは根本的に違います。
高橋秀彰綜合会計士事務所 代表。1965年生まれ、愛知県出身。公認会計士、税理士、宅地建物取引士。燦ホールディングス株式会社(東証一部上場)社外監査役。
人呼んで「会計業界のブラックジャック」(ただしライセンスは有り)。他の会計事務所では手に負えない難度の高い案件を得意としており、数多くの相続対策、企業の予算管理、事業承継(M&Aを含む)、不動産取引スキーム立案実行等によるクライアント救済の実績を持つ。その他、一般企業を対象とし、独自に開発した財務分析ツールを用いて行う決算検討会も好評を博している。
また、京都花街のお茶屋では稀有な顧客として知られ、京都花街の不文律や裏事情にまで精通している。2017年に『「一見さんお断り」の勝ち残り経営』( http://amzn.to/2qW9r9e)~京都花街お茶屋を350年繁栄させてきた手法に学ぶ~ぱる出版/1500円+税を出版。
高橋秀彰綜合会計士事務所
(http://takahashijimusyo.net/index2.html)
〒530-0004 大阪市北区堂島浜2丁目1番29号 古河大阪ビル本館1F
TEL 06(6450)8510 FAX 06(6450)8520