M&A Online編集部が大量保有データベースで2022年3月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、投資会社のアルファレオホールディングス(東京都千代田区)が、乾汽船の株式を15回売却し、保有割合を26.15%から4.37%に引き下げたことが分かった。
売却過程で、乾汽船はアルファレオホールディングスの保有割合が20%を切った時点で、アルファレオホールディングスが開示対象となる非上場の親会社等には該当しないことになったと発表。
さらに、保有割合が10%を下回った時点では、アルファレオホールディングスが主要株主に該当しないことが確認されたと発表していた。
アルファレオホールディングスは、2019年6月の乾汽船の株主総会で可決した買収防衛策導入などを取り消すように求めて訴訟を起こしていたが、2021年12月17日に乾汽船が勝訴したと発表した。
さらに乾汽船は2022年2月18日に、アルファレオホールディングスに対して求めていた質問状への回答を改めて要請したと発表するなど、経営を巡って攻防が続いていた。
乾汽船はアルファレオホールディングスの保有割合が10%を下回った時点で、今後の見通しについて「現時点において特に記載する事実はない」としている。
一方アルファレオは、料理レシピサイト運営のクックパッド株を3度買い増し(2.1%)、保有割合を9.17%に高めた。
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ZOZOの創業者で前社長の前澤友作氏が、アパレルのアダストリア株を0.79%買い増し、保有割合を6.39%に高めた。このほか前澤氏は、11.07%を保有するZOZOと、7.97%を保有するユナイテッドアローズの2社について、重要な契約の変更があったとして変更届を提出した。
旧村上ファンド系のレノ(東京都渋谷区)は、前田建設工業を中核とするインフロニア・ホールディングスがTOB(株式公開買い付け)によって子会社化を目指している東洋建設株を5.42%売却し、保有割合を1.89%に引き下げた。東洋建設については、ケイマン諸島に本社を置く投資会社のWK 1 Limitedが純投資を目的に5.84%を新規保有した。
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小僧寿しの筆頭株主で、乳製品の製造などを手がけるJFLAホールディングスは、小僧寿し株を3度売却(4.43%)し、保有割合を11.02%に引き下げた。
小僧寿しは3月31日に「支配株主等に関する事項について」を発表し、「JFLAホールディングスと同社グループ企業集団と密に連携を行う事で事業を展開している」としている。
2022年3月の大量保有報告書の提出件数は1101件で、このうち保有割合を増やしたのが329件、新規保有が119件、保有割合を減らしたのが518件、契約の変更などが135件だった。
文:M&A Online編集部
2021年12月8日に提出された大量保有報告書のうち、注目銘柄をピックアップしました。ニッポン・アクティブ・バリュー・ファンド(ダルトン)、三ツ星ベルトを新規取得 ほか
押出機やアスファルト試験機、太陽光発電などを手がけるフリージア・マクロスは2021年6月30日、婦人フォーマルウエア大手の東京ソワール株式1.24%を買い増し保有割合を16.72%に高めた。
2020年10月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、DCMホールディングスとニトリホールディングスによる買収合戦に発展している島忠を巡って、11回の報告書の提出があった。