宅配ピザ「御三家」の一角、「日本ピザハット」が再度売却される理由

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都内の店舗

宅配ピザ「ピザハット」を国内展開する日本ピザハット・コーポレーション(横浜市)がヤマエグループホールディングスの傘下に入ることになった。実は、日本ピザハットにとって親会社が変わるのは2度目だ。

ドミノ・ピザ、ピザーラと3強を形成

ヤマエグループホールディングスは投資ファンドのエンデバー・ユナイテッド(東京都千代田区)から日本ピザハット・コーポレーションの全株式を取得し、8月31日付で子会社化する。ヤマエは九州を地盤とする食品卸大手。一般消費者向けのフードサービス領域に本格進出することを狙いとしている。

「ピザハット」は「ドミノ・ピザ」と並ぶ世界最大級の宅配ピザチェーンとして知られ、いずれも米国発祥。日本ピザハットは国内におけるフランチャイザー(加盟店本部)として約500店舗を展開する。2022年3月期業績は売上高209億円、経常利益13億円。買収金額についてヤマエは非公表としている。

国内の宅配ピザ市場では「ドミノ・ピザ」「ピザハット」「ピザーラ」が3強を形成する。このうち、ピザーラは1987年に日本で生まれたブランドで、飲食店大手のフォーシーズ(東京都港区)が535店舗を運営している。

最大手は約900店舗を持つドミノ・ピザ。1985年に日本初の宅配ピザ店を東京・恵比寿にオープンしたのが始まりで、運営会社はドミノ・ピザジャパン(東京都千代田区)。約500店舗のピザハットは3番手に位置する。

日本KFC傘下でピザハット事業を開始

そのピザハットが日本にお目見えしたのは1991年。ケンタッキーフライドチキン(KFC)を運営する日本KFCホールディングスがピザハット事業として国内展開に乗り出した。

だが、日本での運営方針を巡り、ピザハット米国本部と食い違いが生じたことなどから、2017年に日本KFCがピザハット事業を投資ファンドのエンデバー・ユナイテッドに売却した。日本ピザハットは万年3位に甘んじ、当時の業績低迷も背景にあった。

今回のエンデバー・ユナイテッドによる日本ピザハットの売却自体に特に驚きがあるわけではない。投資ファンドとして出資先の企業価値を高めたうえで、出口戦略(投資資金の回収)に動くのは当然の流れだからだ。

日本ピザハットを傘下に収めるヤマエは食品や食品原材料の取り扱いを主力とし、売上高は5000億円を超える。ただ、宅配ピザに見られるフードサービスへの本格進出は初めてだけに、どう相乗効果を引き出し、グループの新たな成長の起爆剤にできるのか、注目される。

ピザ協議会(東京都港区)によると、2020年度のピザ宅配・専門店売上高(推計値)は前年度比1.9%増の1784億円で、過去最高を更新した。

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文:M&A Online編集部

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