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「マイナンバー義務化」は、財政破綻を想定した国民負担増の準備

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マイナンバーとあらゆる個人情報の紐付けが義務づけられる?(写真はイメージ)

預金残高を理由に社会保障の大幅縮小も

政府は預金封鎖で個人の金融資産を一時凍結。10万円(現在の約180万円)超の個人資産の25〜90%を財産税として差し引いた金額を新円に交換した。銀行に預金していない旧円は流通停止となり、文字通り「紙切れ」になった。

それだけではない。同10月に「戦時補償特別措置法」が公布され、国側が負っている債務金額と同額の「戦時補償特別措置税」が賦課される。政府のツケを被害者である国民に支払わせる、事実上の戦時補償の打ち切りだった。

1945年3月末時点で、政府債務残高はGDPの約267%に到達していた。一方、2021年の政府債務残高はGDPの約262%と、敗戦当時に近い。経済環境が全く異なるので、当時の状況と同一視はできないが、財政が危機的な状態にあるのは間違いないだろう。

国民の金融資産をすべて把握すれば、新たな負担を課すことで国家財政危機を軽減することができる。現在、個人の金融資産はや生活保護の申請時に書類でチェックされるだけだ。が、マイナンバーと紐付けできれば、年金や健康保険などでも、所得だけではなく金融資産も判断基準になる可能性がある。

例えば「預金額が1000万円超の世帯は、所得にかかわらず健康保険の負担率を5割に引き上げる」「預金額が500万円超の世帯は、所得にかかわらず介護保険による補助が認められない」と言った具合だ。

政府は「資産がある者が、相応の負担をするのは当たり前」という「正論」で押し切ろうとするのだろう。だが、国民は生活防衛や老後資金のためにコツコツ貯めてきた金融資産を根拠に、公的な福祉や支援を打ち切られることになる。

そして、いよいよ国家財政が破綻の危機に直面したら、その時は「財産税」による国民の金融資産の供出で埋め合わせることになるだろう。1946年当時と違い、個人が金融資産を日本の主権が及ばない海外へ移すことも可能だ。

マイナンバーと金融資産を紐付けておけば、そうした「資産逃亡」を未然に防ぐことができる。マイナンバーと金融資産の紐付けが法律で義務付けられる前に、金融資産を海外へ移すことも考えておくべきだろう。

文:M&A Online編集部

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