名古屋電鉄市内線の市営化の手続きは1922年6月5日に完了し、8月1日をもって市内線は名古屋市電気局の経営となった。名古屋電鉄は9月27日に臨時株主総会を開いて事業譲渡と解散手続きの経過を報告し、1894年6月の設立認可以来28年間の経営に幕を閉じた。
1909年11月に美濃電気軌道が設立された。出資者は地元の有力者であったが、取締役社長には才賀電気商会の才賀藤吉が就任し、1911年2月11日に岐阜駅前~今小町間の複線と神田町~上有知間の単線を開業した...
名古屋鉄道の起源は古く、愛知馬車鉄道の敷設が特許された1894年8月までさかのぼる。創業から数えると125年という長い歴史を有し、日本の私鉄の中でも指折りの老舗である。その歴史を一言で表現すると、「合併の歴史」であったといえる。
資本統合を繰り返しながら路線距離が日本最大となった大手私鉄・近畿日本鉄道。戦時統合で誕生した関西の小さな鉄路(大阪電気軌道=奈良軌道)が、他の私鉄に出遅れながらも豊富な路線網のもと需要を取り込んで拡大していく過程を、2回に分けて追いかける。