名岐鉄道は、1935年8月に愛知電気鉄道と合併した。愛電は、知多半島西岸の振興と常滑焼など特産物の輸送の便をはかるため、1909年9月に電気軌道の敷設特許を申請した知多電車軌道が、1910年4月の軽便鉄道法の公布(施行は8月)後、同法による鉄道敷設免許に切り替えて敷設申請したものである。
敷設免許を受けたのは名古屋市南区熱田東町~知多郡常滑町間で、1910年11月に創立総会を開催し、社名を愛知電気鉄道と改称した...
名古屋鉄道の起源は古く、愛知馬車鉄道の敷設が特許された1894年8月までさかのぼる。創業から数えると125年という長い歴史を有し、日本の私鉄の中でも指折りの老舗である。その歴史を一言で表現すると、「合併の歴史」であったといえる。
資本統合を繰り返しながら路線距離が日本最大となった大手私鉄・近畿日本鉄道。戦時統合で誕生した関西の小さな鉄路(大阪電気軌道=奈良軌道)が、他の私鉄に出遅れながらも豊富な路線網のもと需要を取り込んで拡大していく過程を、2回に分けて追いかける。