旧国鉄が分割民営化されたのは1987年であったので、昨年はJR体制が発足してから30年という節目の年にあたっていた。30年目を目前に控えた2016年11月、JR北海道は営業路線の約半分にあたる1,237kmを単独で維持することは難しいと発表した。それを機に、JR東日本とJR北海道の資本統合が取りざたされるようになった。そこで、JR東日本とJR北海道の資本統合の実現可能性について論じながら、今後のJR体制はどうあるべきかを考えてみたい。 

30~40年の間隔で経営形態を変えてきた日本の鉄道

新橋~横浜間に日本で最初の鉄道が走ったのは1872年であった。その後、私設鉄道の設立が相次いだが、1906年に主要17私鉄を買収して鉄道国有化が実現し、日本の幹線鉄道は政府の直営となった。しかし、戦後の1949年には政府直営の国有鉄道が日本国有鉄道という公共企業体に改変された。そして、1987年に日本国有鉄道が分割民営化され、現在のJR7社(JR北海道・東日本・東海・西日本・四国・九州・貨物)が誕生したのである。

つまり、日本の鉄道は30~40年ほどの間隔で、大きく経営形態を変えてきた。そう考えると、発足後30年を経たJR体制もそろそろ修正されるべき時期にさしかかっているといえるのかも知れない。

実際、JR東日本・東海・西日本の本州3社の経営は比較的順調であるが、3島会社(JR北海道・四国・九州)やJR貨物、とりわけJR北海道・四国の経営はかなりきびしい。ただし、JR九州は鉄道事業以外で多くの収益を上げ(2016年度の売上高に占める運輸事業の構成比は47.9%)、すでに完全民営化を果している。

新たな収益の獲得をめざしたJR九州(ななつ星)

そうしたなかで、麻生太郎財務省は、2017年2月28日の参院予算委員会で、JR東日本とJR北海道の合併も1つのアイデアであるとして、次のように述べた。

「今のところ、2016年度のJR北海道の安全体制について、いろいろ弥縫策はしていますよ。しかし、これで完全に黒字になるかといえば、なかなかそうならんと思います。(略)もともと一緒だったんだから、黒字のJR東日本と北海道と合併するとか、JR四国と西日本を合併させるとか、双方で赤字の分を消して黒字で補うとか、いろんなアイデアは出るんだと思います。」(「朝日新聞デジタル」2017年2月28日)

さらに麻生蔵相は、分割民営化は「国鉄という商売をわかっていない『学校秀才』が考え」たことで、秀才ではない自分は反対であったとまで述べた。この麻生蔵相の発言を意識してかどうかはわからないが、2017年6月23日に開催されたJR東日本の株主総会では、「JR東日本は過去30年間で経営が悪化したJR北海道を支援すべきではないか」などという意見が出された。

それでは、まずJR体制30年を振り返ってみよう。