国税庁のHP「No.3258 取得費が分からないとき」 にはこんなことが書かれています。
売った土地建物が先祖伝来のものであるとか、 買い入れた時期が古いなどのため取得費がわからない場合には、取得費の額を売った金額の5%相当額とする ことができます。また、実際の取得費が売った金額の5%相当額を下回る場合も同様です。例えば、 土地建物を3,000万円で売った場合に取得費が不明のときは、売った金額の5%相当額である150万円を取得費とすることができます。(所法33、38、措法31の4、措通31の4-1)
要は、「売った金額の5%を取得費にできるよ」ということです。これはこれで間違っていません。租税特別措置法31条の4、租税特別措置法通達31の4-1でそう定められているからです。
しかし、仮に3,000万円で売れた土地の価格が記憶によれば3,000万円なのに、「売却額の5%」ぽっちとされるのは悔しくありませんか?(笑)
「絶対に市場価格相当額の3,000万円で買ったのは事実なんだけどなぁ。でも、それを証明できる証拠がない。売買契約書は無くしてしまったし、買った相手方とも連絡は取れない。銀行は過去10年間の記録は出してくれるけど買ったのはもっと昔だし・・・。そもそも預金から引き出しているだけだと振込先までは証明できない。悔しい・・・。(心の声)」
5%方式でいくと、
売却額3,000万円-3,000万円×5%=譲渡所得金額2,850万円
譲渡所得金額2,850万円×(所得税15%×(1+復興特別所得税2.01%)+住民税5%)=税金約580万円
となります。
しかし、本来、「3,000万円で購入しているなら」、税金はゼロですよね。
(売却額3,000万円-取得費3,000万円=譲渡所得金額0円、ですから)
このケースで5%方式を使うと580万円の税金を払うことになってしまいます。
前回・前々回に続き、節税ヒントがあるかもブログのメタボ税理士さんが[国税徴収法] 第二次納税義務について実際の判例を基にご紹介します。
IBMは過去に行った巨額の節税に関する訴訟で地裁、高裁と勝訴が続いている。どのような争点があるのだろうか。