政府がロックダウンを含む緊急事態宣言を出す可能性が低いとはいえ、それがコロナ禍に対する「安全性」を保証するものでない。年末年始の休眠期間はコロナウイルスの感染を減少させるには短すぎる。正月明けに経済活動が平常化すれば再び感染は拡大する可能性が高い。
ワクチンについてもアストラゼネカで治験データの不透明性が指摘され、承認が遅れる恐れがある。ファイザーやモデルナでも同様の事態が起こるかもしれない。承認を受けたとしても、生産が予定通りに進まなかったり思わぬ副作用が判明したりするリスクもある。
一つでも想定が外れれば、感染拡大に歯止めがかからなくなる可能性がある。新型コロナによる「医療崩壊」が発生して死者数が1万人を超える事態になれば、極めて短期的な感染抑制効果しかないと分かっていても政府は緊急事態宣言を出さざるを得ない状況に追い込まれるおそれがある。
文:M&A Online編集部