編集部の独断と偏見による味勝負ではナビスコ商品に軍配が上がりましたが、ヤマザキビスケットは果たして「ナビスコショック」を乗り越えられたのでしょうか。 ヤマザキビスケットの2016年12月期の決算を見てみると、売上は3.7%減の388億円、営業利益は27.6%減の25億円と、数ヶ月とはいえ「ナビスコショック」の痛手が見てとれます。2017年12月期の計画では、売上367億円、営業利益18億円を目標に掲げていましたが、どちらも達成できていません。営業利益にいたっては、目標の1割にも達していません。
■ヤマザキビスケットの売上・営業利益 (単位:百万円)
2015年12月期 | 2016年12月期 | 2017年12月期 | |
---|---|---|---|
売上 | 40,291 | 38,813 | 32,717 |
営業利益 | 3,414 | 2,507 | 166 |
そんな危機的状況の中、昨年12月に新たに発売されたのが「ルヴァン プライム スナック」。赤をメインカラーにしたパッケージに、丸い形状。これは、「リッツ」を彷彿とさせる商品です。青箱の「ルヴァン」との違いは何かあるのかと食べてみても、その違いはほぼ感じません。原材料をチェックしてみると、「ルヴァン プライム スナック」にはライ麦粉がないだけ。
このタイミングで「リッツ」により近い商品が発売されたのには、類似製品の製造販売を制限する期間を米モンデリーズ・インターナショナルとの間で取り決めていたことが背景にあります。その制限が解かれ、従来のリッツに近いレシピとイメージの商品を満を持して発売したというところなのでしょう。
2018年12月期計画でヤマザキビスケットが目指すのは、売上375憶円、営業利益21.7億円。果たして「ルヴァン プライム スナック」は「リッツ」から定番クラッカーの座を奪えるのか。今後の認知度アップと売上への貢献の行く末を見守っていきたいところです。
文:M&A Online編集部
春到来。花見や新生活スタートなどで集まって飲食する機会も多い。しかし、その席に並ぶお酒や食べ物、選んだお店がどのような戦略でM&Aを行い事業をのばしてきたのか。ふと思いを巡らせてみたい。