両王に宛てられたコロンブスの航海日誌は、現代の投資ビジネスに例えるならば、いわばスポンサーレターである。スポンサーレターとは、ベンチャーキャピタルやバイアウトファンドなど、投資家の資金を募って投資事業を行う者が、金主(LP出資者など)に対して定期的に行う投資進捗の報告書だ。
コロンブスのこのスポンサーレターのこの冒頭文には、この航海の背景や目的、手段が余すことなく書かれている。起業家が株主に提出する株主報告書と性格は同じだ。しかし、この航海は、株式会社が生まれる前の出来事だ...
ユダヤ陰謀論を流布したフェイク本「シオン賢者の議定書」に触発され、これを自らの信念の実現に大いに利用できると考えた男が、ドイツ帝国で急速に台頭する。アドルフ・ヒトラーだ。ヒトラーが率いたナチスドイツは「積極的キリスト教」運動を展開する。
スペインに渡ったユダヤ教徒たちは、どのようにして経済的に自立し、定住したのか。そして、どのような経緯で、金融の発展に関わっていくことになるのか。今回から本題となるユダヤ教徒と企業金融(コーポレートファイナンス)の歴史について触れていきたい。
投資ファンドは「1株1議決権」を前提として、株主権を存分に行使してリターンの最大化を目指す。ある意味、米国株主資本主義を究極まで純化した存在といえる。その投資ファンドが自らは一般株主の権利を著しく制限する特殊な議決権構造を採用しているのだ。