この一見実に狡猾で効率的に見えるこの徴税方法は、実は王室にとって致命的なミスだったのではないか。これにより王室が領土を統べるために必要な決定的な能力を失わせ、その能力を宮廷ユダヤ人が持つことになる要因になったのではないか。筆者はそう考えている。
宮廷ユダヤ人は、この困難な徴税を通じて国家運営における最も重要な情報を握ることになったはずだ。その情報とはフリル(装飾)のないキリスト教社会(王室の臣民たち)の生活実態についての情報である。
鍛冶屋は儲かっているか。農家はどうか...
今回のコラムは、「経営者の監視ができる仕組み」に関する現行のコーポレートガバナンス制度の有効性を前提としつつ、経営者の不正がなくならない原因について考えを述べてみたい。