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キャッシュ(Cash)の語源は?|金融・経済の英単語

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キャッシュ(Cash)は、現金または現金払いのことです。キャッシュフロー(Cash flow)、キャッシュ・オン・デリバリー(Cash on delivery 略してCOD)、キャッシュレス(Cashless)など、かなりの数の表現が日本語化しています。

この Cash という語は、会計場所のキャッシャー(Cashier)から逆成された言葉です。 Cashier は中世の時代にフランス語を経てオランダ語から入り、現代フランス語では Caisse といいます。元は「お金の”箱”」という意味なので、容器を意味するケース(Case)とは同じ語源です。

Cash はラテン語の Capsa(箱)に起源を遡り、イタリア語やスペイン語でよく知られた Casa(家)と同じルーツを持ちます。モロッコのカサブランカ(Casa Blanca)は英語にすると White House、18世紀イタリアに生まれた当代きっての遊び人カサ・ノヴァ(Casa Nova)は、日本流に言えば「ミスター新家」というところでしょうか。

イタリア語では「縮小辞」といってかわいらしい、小さな雰囲気をかもし出す接尾辞が盛んに用いられますが、この casa に縮小辞 -ino がついたのが Casino(カジノ)です。元は「小さな家」という意味ですが、今では大きくて立派な家の「カジノ」もラスベガスあたりにはたくさんあることでしょう。

またフランス語の縮小辞 -ette をつけると、カセット(Cassette)になります。こちらは「小さなケース」ということになりましょうか。

前述のラテン語 Capsa にラテン語の縮小辞 -ula をつけると、カプセル(Capsule)になります。車の「シャシー(Chassis)」 も、Capsa にルーツを持つ言葉です。

文:猪浦道夫・天宮徹也(共同執筆)/編集:M&A Online編集部

猪浦 道夫 (いのうら・みちお)

ポリグロット外国語研究所代表。翻訳家。東京外語大学卒。イタリア政府国費留学生を経て同大学院修了。野村證券、旧日本興業銀行、ブリヂストン、キヤノン等において研修講師を務める。現在は、一般向けの「再チャレンジ英語セミナー」「9か国語の超速習セミナー」など多数のセミナーも主催。またブレークスルー大学、DHC主催の語学セミナー講師、DHC翻訳者新人コンテストの審査委員長を務めた。

著書: 語学界のバイブル的ベスト&ロングセラー『語学で身を立てる』(集英社新書)他、『英語冠詞大講座』(DHC)、『英語語彙大講座』(DHC)、『日本人のための再チャレンジ英語全6巻』(ポリグロット外国語研究所出版会)など。

ポリグロット外国語研究所のホームページはこちら
http://www.polyglot.jp/


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