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英語で「買収」を何という?|金融翻訳のプロに聞く

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最近、M&Aのことを「バイアウト」と表現する人が増えているような気がします。「買収」を意味する「Acquisition」「Buy-out」「Takeover」をネイティブはどう使い分けているのでしょうか?

「語学で身を立てる」の著者で、10か国語翻訳家の猪浦道夫先生にニュアンスの違いを聞いてみました。

◆ ◆ ◆

ーー猪浦先生、「M&A」のMergerは合併として、買収を意味する「Acquisition」、「Buy-out」、「Takeover」をネイティブはどう使い分けているのでしょうか。Google翻訳だと全て「買収」になります・・・

そもそも論として、かなり大胆ですが、各単語のフンイキと言いますかニュアンスをよく伝えている日本語の候補をあげます。

・Merger: 合併
・Acquisition:買収
・Buy-out: 買占め
・Take over: 乗っ取り

御覧のように、だんだん敵対的な態度が色濃くなっていくのがわかると思います。ただし、業界の人(ネイティブも含め)に聞くと、実際にはしばしばあまり深く考えずに(区別せずに)使っているようなので、それぞれの単語は意味の範囲がかなりダブっていると言えます。

ーーネイティブでもあまり区別せずに使っているんですね。ニュアンスの違いを知りたいので、各用語の違いを先生のご専門分野である「語源」から解説していただけますか?

「Acquisition」の語源は「前向きに求めること」です。一般的な意味で、他の企業を支配する目的で買収することですね。キャッシュや株式交換がよく使われます。法人格を1つにする場合と子会社化するケースなどがあります。

「Buy-out」は、主に経営権の獲得を目的に買収することですが、語源的には「徹底的に(株式を)買う」であることからもわかるように、共同経営の企業や事業を買い取る、というイメージが強いです。資金は、投資ファンドや借入金などがよく利用されます。

「Takeover」は、これまた他の企業を支配することを目的に買収することですが、Acquisitionに比べるといささか敵対的なイメージがあります。本来は「譲渡、引継ぎ」をあらわす言葉ですが、しばしば「乗っ取り」のニュアンスを含みます。

ーーなるほど! 違いがよくわかりました。ありがとうございました。

聞き手・文:M&A Online編集部

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猪浦 道夫 (いのうら・みちお)

ポリグロット外国語研究所代表。翻訳家。東京外語大学卒。イタリア政府国費留学生を経て同大学院修了。野村證券、旧日本興業銀行、ブリヂストン、キヤノン等において研修講師を務める。現在は、一般向けの「再チャレンジ英語セミナー」「9か国語の超速習セミナー」など多数のセミナーも主催。またブレークスルー大学、DHC主催の語学セミナー講師、DHC翻訳者新人コンテストの審査委員長を務めた。

著書: 語学界のバイブル的ベスト&ロングセラー『語学で身を立てる』(集英社新書)他、『英語冠詞大講座』(DHC)、『英語語彙大講座』(DHC)、『日本人のための再チャレンジ英語全6巻』(ポリグロット外国語研究所出版会)など。

ポリグロット外国語研究所のホームページはこちら
http://www.polyglot.jp/


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