portfolio (ポートフォリオ) という言葉は、イタリア語で「紙挟み」を意味する portofolio から来ています。portare は「運ぶ」「携帯する」の意味で、イタリア語ではこの言葉からおびただしい数の言葉が派生しています。

portfolio (財布、紙入れ) もそのひとつです。「ポータブル」portable は日本語になっていますが、「携帯しうる」、「持ち運べる」という意味です。「ポーター」porter もそうです。「運ぶ人」というわけです。

ところで porto はイタリア語の「港」を示す言葉です。これがフランス語を経て英語の port (港)になりました。「港に入れる」ので import (輸入する) 、importation (輸入) 、「港から出す」のが export (輸出する) 、exportation (輸出)です。

動詞 import にフランス語の現在分詞語尾 -ant をつけた important は、「輸入するに値する」から「貴重な」を経て「大切な、重要な」という意味が出てきました。接頭辞 trans- がつくと transport (輸送) になります。

ちなみに「港」はスペイン語で puerto といい、プエルト・リコ(Puerto Rico)という国の名前は「豊かな港」という意味です。かのコロンブスが入港した港の名にちなんで付けられたそうです。ポルトガル第2の都市、オポルトは、ポルトガル語の「港」を表す porto に定冠詞のO がついた形です(ここで作られるお酒は「ポルトー酒」と呼ばれます)。そもそもポルトガルの国名自体が、ローマ時代の Portus Cale (カレの港) がなまったものなのです。

ロマンス系言語における porto の女性形はみな「ドア」「戸」の意味で、イタリア語、ポルトガル語では porta、スペイン語で puerta と言います。これに近い意味で英単語に portal (正面、表玄関) という語があります。

さて、ポートフォリオの folio の方は、ラテン語の「葉」という語に起源をもち、英語でも「二つ折り」を意味するこの綴りの単語があります。「葉の総称」で foliage という語もここから派生しました。「アルミホイル」と呼ぶ金属の薄片(ホイル) foil も同じファミリーです。ところで、フランス語では「葉」は feuille と言い、「千枚の葉」は mille feuilles と言います。そうです。お菓子の「ミルフィーユ」です。

文:猪浦道夫・天宮徹也(共同執筆)/編集:M&A Online編集部