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Warranty と Guarantee 元は同じ言葉だった!

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Photo by Ben White on Unsplash

Warranty は「許可、担保、証明書」を意味する言葉ですが、保証といえば、Guarantee のほうが一般的かもしれません。

「warranty」と「guarantee」ー この2つの単語、意味も形も似ていると思った方は多いでしょう。それもそのはず、実際にもともと同じ言葉(warantie)なのです。

かつて中世の時代、多くの語彙がドイツからフランスに輸入(流入)されました。ところがドイツ語の「ワ行」にあたる音がフランス人には発音できなかったので、一番近い音である ” gu-” の音を使うようになりました。

ドイツ語から直接英語に伝わった語が「warranty」、ドイツからフランスを経てフランス語の外来語として英語に伝わったのが「guarantee」や「guaranty」なのです。日本語では「ギャラ」と言いますね。

このように、もともと同じ語でありながら流入経路が違うため、異なる語形をもつ用語を「二重語(doublet)」と言います。

例えば wage と gage (担保)、war または warrior(戦い) と guerilla (ゲリラ)、ward と guard (守衛)、warden (番人) と guardian(見張り)、waffle (ワッフル) と gaufre (ゴーフル) などがそうです。

なお、guarantee の -ee の語尾は、フランス語の動詞の過去分詞女性形で「~される人」の意味を持っています。女性形なのはおそらくpersonne (人) という「女性名詞」が省略されたと想定しているためで、「~される人」は男性であってもかまいません。

これを応用すると mortgagee (抵当権者)、trustee (受託者、管財人)、employee(被雇用者)、trainee(被訓練者) などがあります。

最後に金融業界では、契約書の「表明保証(条項)」のことを「Representation & Warranties」、略して「レプワラ」と言ったりします。

文:猪浦道夫・天宮徹也(共同執筆)/編集:M&A online編集部

猪浦 道夫 (いのうら・みちお)

ポリグロット外国語研究所代表。翻訳家。東京外語大学卒。イタリア政府国費留学生を経て同大学院修了。野村證券、旧日本興業銀行、ブリヂストン、キヤノン等において研修講師を務める。現在は、一般向けの「再チャレンジ英語セミナー」「9か国語の超速習セミナー」など多数のセミナーも主催。またブレークスルー大学、DHC主催の語学セミナー講師、DHC翻訳者新人コンテストの審査委員長を務めた。

著書: 語学界のバイブル的ベスト&ロングセラー『語学で身を立てる』(集英社新書)他、『英語冠詞大講座』(DHC)、『英語語彙大講座』(DHC)、『日本人のための再チャレンジ英語全6巻』(ポリグロット外国語研究所出版会)など。

ポリグロット外国語研究所のホームページはこちら
http://www.polyglot.jp/


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