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Bond(債券)の語源は?|金融・経済の英単語

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「債券」をあらわす bond (ボンド)という言葉はゲルマン語由来で、bind (バインド)と同じ語源ファミリーです。「バインダー」は「製本」のことですから、もともとは「束ねて縛る」のが bind です。「拘束」のイメージから「取り決め」の意味ができました。

この古形は bindan (縛る)の母音交替による派生で、band (バンド。元の意味は「括るもの」「枷」)が生まれました。「包帯」の bandage もこの仲間ですし、登録商標のBAND-AID(バンドエイド)もここから派生しました。

バンドというと「楽団」の band が思い浮かぶ人も多いでしょう。これは古英語の bonda (農民) と bind (結んだもの)がもつれてできた語です。「一隊」「一団」「群れ」の意味から「楽隊」の意味にもなったのですね。

ちょっと寄り道しますが、前者の bonda という言葉は北欧起源で、現代デンマーク語で「住む」という動詞を bo といいます。husband(ハズバンド、夫)は、古英語の husbondahus (家) + bua (住まう) + and (現在分詞語尾)-家に住まって治める人→ 主人、となったのです。

neighbor(ネイバー、隣人)という言葉も、neabgebur = neah (近い) + gebur 近くに住む百姓→近くの人、となったのです。ちなみに neah は一昔前までは nigh といい、この比較級、最上級がそれぞれ英語の nearnextです。

「百姓」のことをドイツ語では Bauer(バウアー。よく姓名にあります) 、オランダ語では boer 「ブール」と読むのですが、英語読みされて、西洋史の教科書に「ブーア戦争」(南アフリカの英蘭戦争、覚えていますか?)として出てきます。

さて、話を戻して bond (債券)ですが、この単語も上の band の異形で、元は「つなぐもの」「紐」「縄」の意味です。そこから「契約」「同盟」、そして「保証」「証文」、そして「債券」の意味に発展していったのです。

ちなみに接着剤の「ボンド」もこの単語です。というわけで「縛る」イメージから「奴隷」「束縛」の意味のbondage が出ます。SMのボンデージもこの単語です。

それから「保税倉庫」は bonded warehouse といいます。ロンドンの Bond Street は何か関係があるのかと思って調べてみたところ、17世紀にこの地区を開発した人物であるトーマス·ボンド氏(Sir Thomas Bond)という方の名前に由来するものでした。

学生運動の華やかなりし頃を覚えていらっしゃる方は「ブント」というセクトをご存知かと思いますが、あれは多分ドイツ語の Bund (同志の集まり、同盟)で、やはり同じ語源を持つファミリーです。

昔の西ドイツ、連邦共和国のことを Bundesrepublik といい、ドイツ語では「連邦~」というと、みんな Bundesです。最近では、サッカーの「ブンデスリーガ」Bundesliga がすっかりお馴染みになりました。

ところで bind の過去形は何でしたっけ? 活用形は「bind -bound -boundでしたね。通勤中にどこかで聞いたことがありませんか。新幹線に乗る。「This train is bound for Osaka」の bound です。

「~に結び付けられた」ということから「~行きの」という意味になったのかと思う人がいるかもしれませんが、これはどうやら北欧語起源のようで、「境界」をあらわすフランス語の bound が語源のようです。

文:猪浦道夫・天宮徹也(共同執筆)/編集:M&A Online編集部

猪浦 道夫 (いのうら・みちお)

ポリグロット外国語研究所代表。翻訳家。東京外語大学卒。イタリア政府国費留学生を経て同大学院修了。野村證券、旧日本興業銀行、ブリヂストン、キヤノン等において研修講師を務める。現在は、一般向けの「再チャレンジ英語セミナー」「9か国語の超速習セミナー」など多数のセミナーも主催。またブレークスルー大学、DHC主催の語学セミナー講師、DHC翻訳者新人コンテストの審査委員長を務めた。

著書: 語学界のバイブル的ベスト&ロングセラー『語学で身を立てる』(集英社新書)他、『英語冠詞大講座』(DHC)、『英語語彙大講座』(DHC)、『日本人のための再チャレンジ英語全6巻』(ポリグロット外国語研究所出版会)など。

ポリグロット外国語研究所のホームページはこちら
http://www.polyglot.jp/


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