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Policy(保険証券)の語源|金融・経済の英単語

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今回ご紹介する policy は、政策を意味するポリシーではなく、「保険証券」の policyです。この言葉はイタリア語の polizza に起源をさかのぼりますが、さらに古くはギリシャ語の apodeisis という語にたどり着きます。「前に進める」というような意味で、論理学などで使う apodictic (/apodeictic 論理的に正しい) という言葉と同じ家族です。後ろの部分の -deictic は、言語学で「直載的な」という意味で使われます。

接頭辞の apo- は「離れて、分かれて」というニュアンスのギリシャ語で、会話でよく使う apology は、この apo- に logos (語)がついて「罪から離れるための言葉」から「自分を守るための言葉」となり「言い訳を表す言葉」になりました。動詞形の apologize (謝罪)も非常によく使われる語ですね。

さて、キリストの12使徒を apostle (アポストル)と言いますが、ギリシャ語 aporstellen (送る) という動詞がついて「送られる人」から「使者」→「使徒」の意味になったのです。

ところで、ドイツ語圏の国を旅行した人は、街中で Apotheker という看板を見ませんでしたか。これは apo- に tithemai (置く) という動詞がついた語で、「離れて置くところ」というところから「倉庫」を経て「薬局」になりました。英語では古語になってしまいましたが、Apothecary (アポセカリー) という語として現存しています。

文:猪浦道夫・天宮徹也(共同執筆)/編集:M&A Online編集部

猪浦 道夫 (いのうら・みちお)

ポリグロット外国語研究所代表。翻訳家。東京外語大学卒。イタリア政府国費留学生を経て同大学院修了。野村證券、旧日本興業銀行、ブリヂストン、キヤノン等において研修講師を務める。現在は、一般向けの「再チャレンジ英語セミナー」「9か国語の超速習セミナー」など多数のセミナーも主催。またブレークスルー大学、DHC主催の語学セミナー講師、DHC翻訳者新人コンテストの審査委員長を務めた。

著書: 語学界のバイブル的ベスト&ロングセラー『語学で身を立てる』(集英社新書)他、『英語冠詞大講座』(DHC)、『英語語彙大講座』(DHC)、『日本人のための再チャレンジ英語全6巻』(ポリグロット外国語研究所出版会)など。

ポリグロット外国語研究所のホームページはこちら
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