会社の終活「M&A」という究極の事業承継プラン
事業承継の一つの手段としてM&Aが活用されるケースが増えてきた。会社を他人の手に委ねるM&Aを「会社の終活」と捉え、何から手を着け、どこに相談すればよいのかといった基本的な事項をまとめたのが本書。
M&A Online編集部では、おすすめ本としてM&Aに関する専門書を中心に紹介しています。今回は趣向を変えて、M&Aをテーマに扱っていないものの、通読することでM&Aやその周辺知識が深まるベストセラー本を紹介します。
〇「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」シバタナオキ著 日経BP

対象者は学生からビジネスパーソン全般向け。特に、第7章「企業買収(M&A)の決算」では、M&Aを実施した企業の決算で押さえておきたい方程式などを紹介しています。MBAで学ぶには敷居が高いと思われる方も、話し言葉で読み進められるので、「難しいことを学んでいる」という抵抗感がなく読むことができます。数字アレルギーのある方にもおすすめ。第4章「広告ビジネスの決算」では、経営統合が話題になっているヤフーやLINEも紹介されています。
〇「生涯投資家」村上世彰著 文藝春秋

株式投資をしている人、金融業界の関係者だけでなく、社会人すべてにおすすめする本。特に、第1章「何のための上場か」、第4章「ニッポン放送とフジテレビ」では、当時の村上ファンドがどのような使命をもってファンドを運用していたのか、といった投資姿勢への理解が深まります。TOB(株式公開買い付け)や敵対的買収などM&Aに関する知識も学べるため一読の価値あり。
〇「中卒の組立工、NYの億万長者になる。」大根田勝美著 角川文庫

米国で起業し、M&Aで資産総額100億円以上となった実業家・大根田勝美氏の自伝。M&Aの効果が本書を通じて実感できます。ほとんど同じ内容ですが、「NYで大成功した日本人から学ぶ 億万長者になる7つの鉄則」(朝日新書)の方が読みやすいという声もあり。自伝にありがちな「俺ってすごいだろ感」がないのため、違和感なく読めるはず。
〇「ファイナンス思考」朝倉祐介著 ダイヤモンド社

ファイナンスにまったく縁のなかった初心者から一定のファイナンス知識を有する中級者どちらにもおすすめ。本書で筆者は「ファイナンス思考は、日本の企業で働くビジネスパーソンにとって必須の基礎教養です」と語っています。特に第3章の「ファイナンスを生かした経営」では、リクルート、JT、関西ペイントなどを事例に取り上げており、各社が実施したM&A戦略やスキームの理解が深まります。
〇「道具としてのファイナンス」石野 雄一著 日本実業出版社

最後にやや専門的なファイナンス寄りの本を。ファイナンスを勉強する時にまず先輩から薦められるのが本書か後述する「ざっくり分かるファイナンス」である…といっても過言ではないでしょう。エクセルでファイナンス理論をシミュレーションする方法について書かれているため、ファイナンスの基礎知識があるとより本書の良さを実感できると思います。「企業価値評価とDCF法」がM&A関連分野の項になりますが、まずはエクセルを起動し手を動かしながら全体を通読してみて下さい。エクセルはいいから理論が知りたいという方は「ざっくり分かるファイナンス」(光文社新書)を。道具としてのファイナンスは2005年初版、ざっくり分かるファイナンスは2007年初版ですが、どちらもいまだに売れ続けているベストセラー本です。
文:M&A Online編集部
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