数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。

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『税理士のための中小企業M&A コンサルティング実務』 宮口徹(著) 税務研究会出版局(刊)

著者は、経営者の引退に伴う後継者難を解決する手段としてM&A が注目されているため、今後税理士も顧客から M&Aの相談を受ける機会が増えると判断。そこで中小企業のM&A業務に初めて取り組む税理士を対象に、中小企業M&Aの全体像から具体的な業務の進め方の概要をまとめた。

第1部で現在の中小企業M&Aの動向や税理士の関与について、第2部ではM&A全体の意思決定や業務の進め方について、第3部ではバリュエーション(価値評価)、デュー·ディリジェンス(DD)、スキーム策定といった個別業務の進め方や着眼点について解説している。

文章はQ&A方式で書かれており、62の質問と回答で構成した。例えば第1部では「M&Aに関連する業務とそれに関与する業者や専門家を教えてください」との質問に「M&Aの規模によって関与するプレーヤーは異なりますが、中小企業のM&Aでは税理士や会計士が幅広い分野で関与できます」と回答。そのうえで、2ページにわたって解説を加えた。

税理士のための中小企業M&Aコンサルティング実務

第2部では「M&A手続き全体の流れを教えてください」、第3部では「中小企業のM&Aにおいて用いられる株式会社評価方法を教えてください」といった質問に、第1部同様に短い回答と解説で構成。巻末にはM&A用語集とアドバイザリー契約書など6種の契約書のひな形を掲載した。

筆者は公認会計士として監査法人や証券会社に勤務した後、税理士として税理士法人に所属した経験から、中小·零細企業のM&Aでは「税理士や公認会計士が自らの専門領城にとどまらず、案件全体のとりまとめを行うようなケースが増加する」と予想する。(2019年8月発売)

文:M&A Online編集部