『ストーリーでわかる初めてのM&A』|編集部おすすめの1冊
M&Aの現場を立体的に理解するうえで、うってつけの一冊。M&Aの具体的な流れをストーリーを交えて解説する。案件着手からクロージング(取引成立)までの時系列に沿って、その要点を大づかみできる。
数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識として役立つ本を紹介する。
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『エンジェル投資家とは何か』小川 悠介 著、新潮新書 刊
スタートアップと呼ばれるような創業間もない企業に、個人で資金を提供するエンジェル投資家が最近、日本でも増えてきた。
起業を成功させるためには資金が必要だが、リスクの高いビジネスには銀行などの金融機関は融資を行わない。
エンジェル投資家ももちろん、成功しそうにないビジネスには投資はしないが、そのハードルは金融機関よりも低い。多少リスクがあっても大きく成長しそうなビジネスや社会に必要と思われるビジネスなどに積極的に投資する。
そうしたエンジェル投資家の実態を詳らかにすることで、日本のスタートアップの現状や今後の課題などについての理解を深めることを目的とするのが本書。
共同通信社の経済部で証券業界や株式市場を取材するチームに在籍する筆者が本業の合間に取材を行い、1年以上の月日をかけて完成した。
第1章では20代、30代の起業家出身の若者が大胆にリスクを取って投資する狙いや動機などを、第2章ではスポーツ選手やタレントなどの有名人がエンジェル投資家となり、ベンチャーキャピタルなどとの間で繰り広げている有望企業の争奪戦を紹介。
第3章ではクラウドファンディングの現状を取り上げ、第4章では現在の投資ブームの行方について論じている。
筆者は、若手起業家から「今のご時世、資料さえ綺麗に作れれば1000万円は調達できますよ」との言葉を投げかけられたことが、執筆のきっかけになったという。
エンジェル投資家やスタートアップ企業との接点がない人たちにとっては、まさに今この分野で何が起きているのかを本書を通じて知ることができる。(2019年12月発売)
文:M&A Online編集部
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