数あるM&A専門書の中から、新刊を中心にM&A編集部がおすすめの1冊をピックアップ。選書の参考にしてみては。

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「最新版 M&A実務のすべて」
有限責任監査法人トーマツ 北地達明 編、北爪雅彦 編、松下欣親 編、伊藤憲次 編(日本実業出版社)

「入門書の次に読むM&Aの本」として2015年に発行された書籍の改定版が本書。2018年12月1日時点の法令などにもとづいて改定するとともに新たにM&Aガバナンスに関する章を書き加えた。 

M&Aのプロセス(第2章)、バリュエーション(第4章)、デューデリジェンス(第5章)、M&Aに関する税務(第8章)などに加えて、第10章を設け、あらかじめ社内の体制を組み、外部に委託した業務の成果をどう咀嚼(そしゃく)し、加減点の要素をどう評価し、説明責任をどう果たすのか、などについて説明した。 

22人の執筆者と4人の編者を代表して2人の編者が「M&Aには特別なガバナンスが必要。相手企業を調べる前に、まずは自社の体制が重要」とし「機会を活かせる企業と活かせない企業の分岐点はここにある」と力説する。 

最新版M&A実務のすべて

その第10章は4部構成で、1部はM&A取引とコーポレートガバナンスをテーマに、日本企業のM&Aでのいくつかの重要な懸念や、M&Aガバナンスに求められる主要なポイントなどをまとめた。

2部ではM&Aガバナンス基本原則をテーマに、権限委譲と責任の明確化の原則、意思決定の質・客観性と一貫性確保の原則、組織学習の原則などをまとめた。 

3部では承認プロセスの確立をテーマに、承認プロセスの調整、承認権限の委譲、承認のフェーズ化などについて解説した。

4部では承認機関によるM&A取引のレビューをテーマに、戦略適合性、プロセスの公正性、仮想事例などを取り上げた。 

執筆者と編者を代表する編者2人は「日本企業のM&Aを通じた企業価値向上にとって本書が一助となれば幸い」と結んだ。(2019年1月発売)

文:M&A Online編集部