数あるM&A専門書の中から、新刊を中心にM&A編集部がおすすめの1冊をピックアップ。選書の参考にしてみては。

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『M&A実務ハンドブック(第8版)』鈴木 義行 編著 中央経済社刊

2000年に発行以来、今回で8度目の改版となる。M&Aの各種手法について、手続きから事後対策までをマニュアル形式で解説する方針は初版から一貫している。本書は2014年の前回版以降の制度改正を織り込んだ。

M&A実務ハンドブック

例えば、2017年度税制改正では企業の機動的な事業再編成を促進するためにスピンオフ税制が導入された。特定事業を分離独立して運営する際に、一定の要件を満たせば、課税繰延・非課税措置の適用が認められるようになった。

また、2018年度税制改正では自社株対価TOBに関する課税繰延特例が設けられた。現金の代わりに自社株を使ったTOBを行いやすくのが狙いで、TOBに応募した株主には新たに保有した買収側企業の株式を売却する時まで課税を繰り延べる。

足元でいえば、2019年10月1日の消費税率の引き上げがM&A取引にどういう影響を与えるかが気になるところ。株式交換株式譲渡合併事業譲渡会社分割スキームごとに、消費税法の取り扱いのポイントを設例とともに要領よくまとめている。

全8章で構成する。目次を拾うと、M&Aで何を目指すか(1章)、M&Aの進め方(2章)、M&Aにおける価格付け(3章)、M&Aのスキームと手続ー法務、会計、税務(4~6章)、スキームの決定と関連事項(7章)、M&Aと経営戦略(8章)。

M&A実務の総合的な解説書として、専門家はもとより経営者、実務担当者にも有用な一冊といえる。(2019年9月発売)

文:M&A Online編集部