数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識や教養として役立つ本も紹介する。

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『ザ・ゴール2 コミック版』  (エリヤフ・ゴールドラット原作 岸良裕司監修 ダイヤモンド社刊)

ユニコ神奈川工場閉鎖の危機を切り抜けた新城吾郎。それから5年がたち、取締役に抜擢された吾郎は多角事業部本部長として3社を統括していたが、再び難題に襲われる。

「グループ3社を売却せよ」。いずれも過去に買収して傘下に収めた企業だが、ノンコア(非中核)事業であるうえ、業績もさほど上がっていないことから、取締役会でリストラの決定が下ったのだ。

取締役会の決定事項が覆せない状況下、吾郎がとった行動とは…。

今や古典的なビジネス書に数えられる『ザ・ゴール』。1984年に出版され、世界的なベストセラーとなった。著者のエリヤフ・ゴールドラットは元々、イスラエルの物理学者。同氏が提唱したTOC(制約理論)は、生産管理の手法にとどまらず、全般的な問題解決のための思考プロセスに発展し、企業経営に大きな影響を与えたとされる。

その『ザ・ゴール』コミック版の第2弾が本書(2016年に発売)。日本の読者に原作のエッセンスを分かりやすく伝えるためにマンガ化したもので、前作と同様に、「ユニコ」という架空の日本企業を舞台とするが、続編でテーマに取り上げたのはM&A。

「売却を阻止できないなら、せめて最善の方法で売却しなければ」。主人公の吾郎はこう誓う。

売却まで残された時間は3カ月。既存株主、グループから切り離される子会社従業員、顧客の利益を守るために、対象3社の企業価値向上に全力を傾注する。

そこで再び吾郎に力を与えるのがTOC。その理論の提唱者で学生時代の恩師、ジョナの助言を得ながら、制約にフォーカスして問題を解決していく。

傘下3社を売却するストーリーを通じて問題を解決のプロセスを説明する。2社は高値で売却に成功し、1社はグループに残して業界ナンバーワン企業に育てる道を選ぶ。

気になる吾郎の去就だが、それは読んでのお楽しみに。

文:M&A Online編集部