経済学者・岩井克人が選んだ「資本主義について考える」本

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※画像はイメージです

ハイブリッド型総合書店「honto(ホント)」で好評の「ブックツリー」は、本の専門家たちが私たちの“関心・興味”や“読んでなりたい気分”などに沿って、独自の切り口で自由におすすめの本を紹介する企画です。 そんな数あるブックツリーの中から、ビジネスパーソン向けのものを編集部が厳選! 教養や自己啓発、ビジネスの実践に役立つものをピックアップしてお届けします。

“資本主義について考える”

ブックキュレーター:岩井克人

「現在だけ知るのと過去だけ知るのと、どちらが人間をより保守的にするか?」ケインズの言葉です。
過去を知ることは、社会のあり方の多様性を知ることであり、人間の思考を未来に向けて大きく広げるのです。資本主義の将来を考えるためには、歴史を知り、古典を読むのが一番です。

贈与論

贈与論

モースのこの本は 、資本主義以前の社会とはどういう社会であるかを知るための古典です。人間は本質的に交換する動物であり続けているのです。



歴史入門

歴史入門

ブローデルの『物質文明・経済・資本主義』は資本主義の壮大な歴史を壮大に描いています。これは著者自身の手によるその入門編です。



ハイエク全集 新版 1▷10 法と立法と自由 3 自由人の政治的秩序

ハイエク全集 新版 1▷10 法と立法と自由 3 自由人の政治的秩序

ハイエクは、連帯心と利他主義こそ人間の本能的な道徳だと言います。資本主義、さらに近代文明を可能にする自由は、人間がその「良き」本能を抑えて、法や貨幣価値計算と言った抽象的ルールに従うことによって初めて可能になったと論じています。


資本主義・社会主義・民主主義 新装版

資本主義・社会主義・民主主義 新装版

シュムペーターは、1912年に出版した『経済発展の理論』でいま我々が生きているポスト産業資本主義を見事に描ききっています。この本の第一部は、その内容を一般向けに書いています。


経済学の宇宙

経済学の宇宙

この本だけは古典ではありません。私自身が資本主義についてどう考え続けてきたかを述べています。



ブックキュレーター:岩井克人

1969年東京大学経済学部卒、72年マサチューセッツ工科大学(MIT)Ph.D.取得。81年東京大学助教授、88年ペンシルベニア大学客員教授・プリンストン大学客員准教授、89年東京大学教授、2010年定年退職。現在、国際基督教大学客員教授、東京財団名誉研究員、東京大学名誉教授。著書で、日経・経済図書文化賞特賞、サントリー学芸賞、小林秀雄賞、M&Aフォーラム賞正賞などを受賞。

※本記事はhonto「ブックツリー」より転載

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