数あるビジネス書や経済小説の中から、M&A Online編集部がおすすめの1冊をピックアップ。M&Aに関するものはもちろん、日々の仕事術や経済ニュースを読み解く知識や教養として役立つ本も紹介する。
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「これだけ!組織再編&事業承継税制」(佐藤信祐・長谷川太郎著・中央経済社)
組織再編税制は難解で複雑、というのが共通意見のようだ。確かに形態はどうか、適格・非適格の判定は・・・など、ひとことで説明するには無理がある。しかし、本書の著者である組織再編税制に詳しい公認会計士の佐藤信祐氏によると、「組織再編税制のうち10%程度を理解しておけば、実務での対応は可能である」とのこと。
こうした悩める公認会計士、税理士、経理担当者にとって救いの1冊となるのが「これだけ!組織再編&事業承継税制」(公認会計士佐藤信祐・税理士長谷川太郎著・中央経済社刊)だ。
実務で頻度が高い論点を中心に、確定申告書の作成方法や契約書の確認など押さえるべきポイントがよくまとまっている。
また、タイトルにあるとおり、組織再編税制のみならず、「事業承継税制」についてもふれている。事業承継税制は中小企業でも実務でよく使われており、平成30年度の税制改正で非上場株式等の相続税・贈与税の納税猶予制度が拡充されるなどより使い勝手が良くなった。
「ですます調」の平易な表現で読みやすい。リファレンス書というよりは、短時間で最低限押さえておきたいという方にうってつけの本といえる。昨年出版された平成29年度版を購入しないよう、購入前には帯を確認しよう。
文:M&A Online編集部